スイミングと発達障害について(3)泳ぎの基本5つ!

こんにちは!

いつも、スイミングと発達障害のシリーズを見にきていただいてありがとうございます!

そして、初めてのぞきに来てくれた方、ありがとうございます!

本記事は連載となっておりまして、今回で3記事目となります。

初めての方や「もう一度見てみようかな!」などと思っていただいた方

ぜひ、コチラをご覧ください。

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初回では「スイミングは発達障害を持つ子に効果はあるの?」「子供をスクールに通わせたい」「今のスクールで大丈夫かな」と思っている方に、ぜひ読んでいただきたい内容となっております!

そして、前回は発達障害を持つ子の「親が教えるスイミングの基本の”キ”」の教え方を書かせていただきました。

今回も、前回に引き続き「親が教えるスイミング」の中から、「これだけはしっかり教えたい5つの基本」をお伝えしたいと思います。

ところで、アテネと北京オリンピック2つの大会で、平泳ぎ100mと200m共に金メダルをとり、北京オリンピックの100mでは世界新記録までもたたき出した北島康介さんをご存じでしょうか?
(ちなみに、平泳ぎにおいてオリンピック2大会連続で2種目制覇したのは、世界初!)

北島康介さんは北京オリンピックの前に、ある部分の重要性を再認識し修正したそうです。

それは、泳ぎの基礎となる「けのび(ストリームライン)」でした!

北島康介さんが、100mの平泳ぎで初めて世界新記録をたたき出した世界水泳!

準決勝と世界新記録を出した決勝の映像を是非、ご覧ください!

決勝最後10mは、鳥肌ものです!

引用:YouTube

この後、アテネオリンピックで100mと200m共に平泳ぎにて金メダル獲得。

そして、北京オリンピックでは、200m平泳ぎ金メダル!100m平泳ぎにおいては、なんと人類初の58秒台で世界新記録を更新して金メダルを獲得しました!!

世界を制したトップ選手だからこそ、基本であるけのび(ストリームライン)を振り返ることの重要性を知っていたのではないかと思います。

今回の記事は、けのび(ストリームライン)を含めた泳ぎの土台となる、重要な基礎部分の教え方をお送りしたいと思います。

では、記事の続きをぜひ、ご覧ください♪

目次

これだけはしっかり教えたい5つの基本

お子さんがプールに楽しく入ることができるようになったら、いよいよ実践です!

お子さんのペースに合わせて、進めてあげてくださいね。

また、抽象的な表現だと頭に入りづらい子もいるので、具体的な言葉を使って指導してあげると理解しやすくなると思います。

(例)✖「プールの縁でバタ足を練習してね。」

   〇「プールに入って、両手でプールの縁につかまってから、身体を浮かせてバタ足の練習をしてね。」

5つの基本

  1. 鼻から出す!口から吸う!
  2. 水中にもぐる
  3. 水中で目を開ける
  4. けのびの姿勢は真っ直ぐ
  5. バタ足は付け根から

それでは、1つずつやり方を解説させていただきたいと思います。

1.鼻から出す!口から吸う!

目から下を水中に入れて、口を閉じ鼻からブクブクと息を出す練習をします。

口から大きく息を吸ってから顔をつける

口を閉じ鼻からブクブクと息を出す

この動きを繰り返してください。

長くブクブクできた方が良いです。

おうちのお風呂で練習しておくとプールでもスムーズにできると思います。

(*ノーズクリップを使用される場合は、口から吸って口から少しずつ出すという呼吸法になります。)

2.水中にもぐる

1.が出来たら、頭まで水中につけて同じことをします。

ただし、親御さんはお子さんの両手を持ち、可能なら一緒に「いないいないばあっ!」のリズムで、お子さんの様子(水を飲んだり苦しそうにしていないか)に気をつけながら繰り返してください。

こちらも可能なら、おうちのお風呂で練習しておくと良いと思います。

3.水中で目をあける

水中で目を開けることは、特に最初は勇気がいることではないでしょうか。

お家で桶に水を張り、その中で目を開ける練習をしておくとスムーズにいきやすいと思います。

プールでは、プールの縁や親御さんの両手につかまり、顔だけつけて目を開けさせる練習をしてください。

より楽しく練習するために、プラ板を用いるのもアリです。

お子さんの好きなキャラクターを描いたプラ板をお子さんの足元に沈ませてから、このように言ってください。

「○○ちゃんの好きな△△が落ちてるよ!拾ってくれる?」

ちなみに100均で売っているプラ板で大丈夫です!

「待って!そもそもプラ板とは何?!」

大変、失礼いたしました!

下記サイトに作り方も詳しく載っていたので、参考にしていただければと思います。

→初心者がセリアの3種類のプラバンでキーホルダー作り&比較してみました!

絵が苦手でも、キャラクターの絵が大きく描いてあるものをそのままなぞればOK♪
(トースターで焼くと、思いのほか小さくなります。)

1つ気を付けるのは、プールの中にいれるので、着色をしっかりしないと見失います!

その他、アクリル板でも大丈夫ですが、プラ板の方が簡単だと思います。

「作るのは、ちょっと面倒だな・・・。」

という場合、プールに沈むおもちゃというものも売っていますよ。

*子供が水中で目をあけることに恐怖を強く感じている場合

ただ「目を開けなさい!」とだけ言うのは避けてください。
楽しいことがあるからと興味を持たせたり、目的を持たせた方がスムーズにいくと思います。

持ち込みについての注意

練習をさせるプールに事前に持ち込んで良いかの確認をしてください!!

持ち込み禁止のものがありますので、ルール厳守の中での実践をお願いいたします。

また、『水中ジャンケン』『水中にらめっこ』『イルカジャンプ』(お子さんが水中にもぐり、プールの底をおもいっきり蹴ってジャンプ!親御さんがお子さんの両手を持ちジャンプのサポート)など、楽しく水中で遊ぶことが出来たら次に進みましょう。

4.けのびの姿勢は真っ直ぐ

この姿勢は、泳ぎの基本中の基本です。

この姿勢をしっかりとれる事が、これから4泳法を習得するのにも速く泳ぐためにも重要になってきます。

まずは、陸上で姿勢を習得しましょう。

けのび【陸上での実践編】

上記1.~3.までを習得したら、けのびの練習に移りましょう!

まずは、陸上でしっかりと姿勢の習得をしていただきたいと思います。

陸上での「けのび」姿勢は、こちらの画像がとてもわかりやすいのでご覧ください。

https://twitter.com/fujino_seitai/status/1149093758434074624?s=20

お子さん用に、陸上でのけのびの練習を文章にしてみました。

  1. 立ったまま、お腹が反らないように意識させてから、手を耳の後ろでバンザイさせます。
  2. 手の甲と手のひらを重ね合わせ、顎を引きます。
    顎を引くことが難しかったら「そのままの姿勢でお腹をみてね!」と声をかけます。
    その時、姿勢が前に倒れないようにしてください。
  3. 姿勢をとることに慣れたら、そのままの姿勢で口から大きく息を吸い、口を閉じて鼻から少しずつ息を出す練習をします。
  4. 次は「仰向けに寝る」もしくは「椅子などを横に並べてうつぶせ」になり、2.の姿勢をとらせてください。
    両足をピッタリ揃えさせ、足首を真っ直ぐにします。
    膝の裏に少しだけ力を入れることを意識させてあげてください。
  5. 最後に4.の姿勢のまま、3.の呼吸方法を加えてみてください。
    その時、水中をイメージしながらやってもらう方が良いので「今から、もぐるよ!口から大きく息を吸って!」「潜ってるよ!口を閉じて鼻から少しずつ息を出して!」などと声を掛けてあげてください。

水中による正しい姿勢でのけのび動画は、基本の「ダルマ姿勢と付し浮き」の後にありますので、ご覧くださいね。

けのび【プールでの実践編】

では、プールで実践してみましょう!

ビート板と腰につけるヘルパーを用意してください。

ビート板やヘルパーは無料で貸し出ししているところも多いのですが、事前に確認されることをオススメします。

そして、お子さんの状態や進み具合により順番を抜かして進めていただいて大丈夫です。

では一度、けのびの姿勢をプールサイドで確認してから始めましょう。

1.腰にヘルパーを装着します。

けのびの足の姿勢から練習をさせます。

ビート板は持つのではなく、手のひらを添えるようにさせてください。

息を口から吸わせてから顔をつけさせ、壁を蹴らせます。

壁の蹴らせ方ですが、最初に片足をまげて足の裏を壁につけさせておき、スタートの時に下についてた足を壁につけると同時に両足で蹴り進みます。

水中では鼻から息を出す、顔を出したら口から息を吸うことができているか、確認してください。

出来ていないようであれば、プールの縁につかまったり、親御さんが両手を持った状態で練習させてください。

また、顔をつけることを怖がったら、無理につけさせずに顔をあげた状態からスタートさせてください。

2.ヘルパーを外しビート板に手を添えさせる

けのびの足が真っ直ぐになるようにしてあげてください。

腰のヘルパーをはずしたことにより、腰が沈んだり、沈みそうな腰をあげようとお尻があがり膝が曲がるという姿勢になる場合があるので気を付けてください。

3.ヘルパーもビート板も使用しない

立つときに慌ててしまうお子さんもいるので、まずは、水中での立ち方2つをしっかりとマスターしてもらいましょう。

水中での立ち方2つ
  1. ダルマの姿勢から立つ
  2. 伏せ浮きの姿勢から立つ

練習をさせる前に、お子さんにも下記の動画を見せてイメージを持たせておきましょう。

(ダルマの姿勢:水中で両足を抱えて浮くこと)

引用:YouTube

(伏し浮き:うつぶせの姿勢で両手両足を真っ直ぐ伸ばして浮くこと)

引用:YouTube

水中での2つの立ち方をしっかりと覚えたら、次に進みましょう。

まずは、けのびの正しい姿勢を見ていただきたいので、お子さんと下の動画をご覧ください。

引用:YouTube

プールに入ったら、始めにけのびの手の形をつくらせてください。

壁を蹴らせたら、お子さんの横についてお腹のあたりを下から軽く手のひらを添えてあげてください。

少しずつで良いので、サポートしながら正しい姿勢を保てる距離を伸ばしてあげてください。

4.お子さん一人でやらせてみましょう

一人で少しでも正しい姿勢で進めるようになったら、5mを目標に、姿勢を崩さずに進めているのかのチェックをしましょう。

5.バタ足は付け根から

けのびの足の姿勢が基本です。

膝から下をうごかすのではなく、脚の付け根から動かすようにしましょう。

足の甲で蹴る感覚です。

脚は真っ直ぐの状態で蹴り、真っ直ぐの状態で持ち上げるようにしてください。

膝や足首がまがってしまうと、下半身が下に沈み、前に進みません。

プールの縁でバタ足の感覚を掴んだら、ビート板を使って練習してください。

これらが上手に出来たら、ビート板をはずして、けのびにバタ足を加えて泳がせてみてください。

怖がったら無理をさせないであげてくださいね。

また、教える時の一番のポイントは【褒める!】です。

「○○が出来てないよ!」ではなく

「○○が出来たね!!」

些細なことでも褒めてあげてくださいね。

それが、お子さんの自信になり好きに繋がり、上達に繋がりますよ。

スイミングと発達障害について(3)泳ぎの基本5つ! まとめ

「子供に泳ぎの基本となるものは教えられる!」

「その方法とは?」

ということで、前回の「親が教えるやり方とは?」の続きとして書かせていただきました。

次回は、いよいよクロールの習得方法です!ご覧くださいね。

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これだけはしっかり教えたい基本5つ

  1. 鼻から出す!口から吸う!
  2. 水中にもぐる
  3. 水中で目を開ける
  4. けのびの姿勢は真っ直ぐ
  5. バタ足は付け根から

けのび【陸上での実践編】

まずは、陸上にて『けのび』のやり方をしっかりと覚えましょう。

プールでの実践編で3つの動画を入れさせていただきました。陸上での実践時に見て、イメージトレーニングをしておくと、プールでもスムーズにできる可能性が高いと思いますよ。

けのび【プールでの実践編】

陸上にて『けのび』の姿勢を習得したら、プールで実践してみましょう。

まずは、水中での立ち方2つをマスターしましょう!

  1. 腰にヘルパー手にビート板で、けのび練習
  2. ヘルパーなしビート板だけで、けのび練習
  3. 何もつけずに浮かんだ状態から、水中で立つための立ち方2つを実践&マスター
  4. ヘルパーもビート板も使わないで、けのび練習
  5. けのびで5メートル
  6. バタ足の練習
  7. けのびにバタ足をつける練習

お子さんには出来なかったことではなく、少しでも出来たことをたくさん褒めて下さい!

決して、出来ないことを責めたりしないでくださいね。

親としては、早く覚えさせたいと思うかもしれませんが『楽しい!また泳ぎたい!』とお子さんに思わせたら、その日の練習は成功です!

お子さんのペースを大切にしてあげながら「出来た!」という喜びをたくさん、あげてくださいね!

発達障害や感覚過敏を持つ場合、脳に特性がある=少数派の脳

このように言われることも多いのですが、多数派の脳を持つ人々が得意とする世界では、少数派の脳をもつ人々にとっては、それらは苦手なことが多く、生きづらさを感じることが出てくると思います。

では、もしも・・・

  • 多数派の脳を持つ人が少数派の脳を持つ人と同じような集中力をもってやれと言われたら?
  • 多数派の脳を持つ人に少数派の脳を持つ人が興味をもったものに対して、とことん突き詰める同等のレベルを当たり前のように要求されたら?
  • コミュニケーションは上手くできないが、論理的思考が得意で記憶力がずば抜けて良い人と同じクオリティーのことを当たり前のように求められたら?
  • 耳からの情報を処理するのは苦手でも、視覚からの情報処理が、ずば抜けて得意な少数派の脳を持つ人と同じクオリティーの映像が作れて普通と言われたら?

少数派の人は多数派の人と、多数派の人は少数派の人と、同じやり方を押しつけ合いながら、無理してやる必要があるのでしょうか?

理想通りにするには、現実のハードルはかなり高いことも感じていますが、多数派と少数派が、それぞれの得意とする分野で補い合いながらつくりあげて行く未来にできたら、どんなに良いだろうかと思います。

そして、世界は少しずつ動いています。

アメリカのハリウッドでは、2014年くらいから「発達障害の能力が必要とされ続けている」ことをご存じでしょうか?

主に自閉症スペクトラムの症状を持つ人々が、映像を作りだす視覚効果(VFX)と呼ばれる映像加工で活躍されているそうです。

彼らの持つ類まれな「集中力」「細部にまでこだわる」「ITに強い」という能力があるからこそ、素晴らしい映像を作りだせていたんですね!!

どんなに素晴らしい能力を持っている人がいても、出来ない事ばかりに目をむけてばかりで、その人の得意とする能力を見つけることも、活用しようともしない人や企業

または類まれな能力を認め、活用する術を持とうとする、もしくは持つ人や企業

皆さんは、これから先、どちらが世界に誇れるような素晴らし実績を残すことになると思われますか?

すでに海外では、何年も前から企業がその高い能力を求め、採用方法や環境を整えているところがたくさんあります!

「出来ないことは、やり方を変えてみたら案外できる!」

「出来ることへの可能性に目を向けてみよう!」

「もっと、視野を広げてみよう!」

もしも、スイミングがそのように考えるきっかけになってくれたのなら、とても嬉しいです!

最後に・・・

私達が見えている世界はほんの一部にすぎません。

自分が思うより・・・

世界は広い!!

この記事が、ほんの少しでもお役にたてることがあれば、とても嬉しく思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

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