お子さんが小学校に上がる時、ランドセルを購入しますよね。
近年では、ランドセルを購入する前のリサーチや検討、購入までの活動を「ラン活」と言います。
いざ、「ラン活」を始めると、多くの親御さんはランドセルの色のバリエーションがとても多いことに驚くそうです。
そして、多くの方がこんな疑問を抱くそうですよ。
わたしたちが子どもの頃は、黒か赤だったけど、
いつからこんなにカラフルになったのかしら?
実際にランドセルメーカーのホームページなどを見ると、色とりどりのランドセルが並んでいます。
現在幼稚園の年中の子どもがいる筆者も、ランドセルのカラーバリエーションには驚きました。
ベーシックな色から、ポップな色まで
沢山のカラーが揃っていてビックリしました!
そこで、この記事ではラン活を控えた筆者自身も知っておきたいランドセルの色の歴史や背景を解説します。
そして、カラーバリエーションが豊富だと逆に迷ってしまうあなたのために、ラン活仲間の筆者が役に立つと思う「ランドセルの人気色や色以外のトレンド」についてもお伝えしますのでお楽しみに。
- ランドセルがカラフルになった歴史や背景
- 現在のランドセルの人気色と色以外のトレンド
この記事を読めば、あなたもラン活マスターになれるかも!
ぜひ、最後までお読みくださいね。
ランドセルの色はいつからカラフルに
ランドセルの色がカラフルになったのは、2001年にイオンから24色のランドセルが販売されてからです。
それまでは、ランドセルの色は黒か赤でした。
ここでは、ランドセルの色がカラフルになった歴史とその背景を見ていきましょう。
カラフルになったのはイオンがきっかけ
ランドセルがカラフルになったきっかけは、2001年に大手総合スーパーのイオンが、業界初となる24色のランドセルを発売したことです。
イオンは、「自分だけのランドセルが欲しい!」そんな子どもたちの声に応え、カラフルなランドセルを作りました。
ピンクや水色、緑など鮮やかなランドセルが並ぶ売り場は、華やかですよね。
小学生になる子どもたちはさぞかしワクワクしたことでしょう。
カラフルになる前はランドセルの色は黒か赤
ランドセルが一般家庭に普及したのは昭和30年代頃で、その頃から長い間「男の子は黒」「女の子は赤」が常識でした。
現在よく見られる箱型のランドセルが誕生したのは、今から130年以上前の1887年(明治20年)です。
大正天皇の学習院への入学祝いに、当時の総理大臣である伊藤博文が箱型の通学かばんを送ったことがランドセルの始まりだとされています。
その3年後には、初期のランドセルの素材が黒革に決定したそうです。
しかし革は高級品のため、一部の富裕層しか手に入れることはできません。
そのため、地方や一般家庭の子どもたちは布製のカバンや風呂敷を使用していました。
後に、昭和30年代にはランドセルが一般家庭にまで普及します。
当時、男の子は黒色のランドセル、女の子は赤色のランドセルを使っていました。
これは、当時の技術では革をムラなく染めるのが難しく、きれいに色が出せる色は黒と赤だっためだそうです。
そして、「男の子は黒色のランドセル、女の子は赤色のランドセル」というスタイルが定着し、長い間続きました。
カラフルランドセルが登場した理由
では、なぜ今の様にカラフルなランドセルを販売できるようになったのでしょうか。
それは、ランドセルの製造技術の向上と時代の変化によると言われています。
- 素材が進化したことと染色技術が向上したため
- 教育が「子どもの個性を尊重する教育」に変化したため
先ほど申し上げたように、ランドセルが普及した当初は染色技術の点から革をきれいに染めるには「黒か赤」しか選べませんでした。
ところが、時代が進むにつれて染色技術が向上し、革でも色々な色を表現できるようになりました。
また、加工が革より比較的容易な人工皮革などの新素材が登場したことで、デザインやカラーの更に豊富な展開が可能となり現在に至ります。
教育が「子どもの個性を尊重する教育」に変化したこともランドセルをカラフルにするきっかけとなりました。
そのような時代背景の中、2001年に大手総合スーパーのイオンが業界初となる24色のランドセルを発売したのです。
しかし、カラフルなランドセルが発売されて、すぐに色とりどりのランドセルが広まったわけではありません。
親の中に「男の子は黒、女の子は赤」という固定観念が根強く残っており、我が子のために新しい色のランドセルを購入することはハードルが高かったと言えます。
特に地方では、みんなと違うことをするのは勇気がいりますよね。
近年では、子どもたちは自分の好みの色のランドセルを選び、様々なカラーのランドセルを身につけるようになってきました。
ジェンダーレスな考え方が広まったこともあり、より好みを主張できる時代となってきました。
また、その主張を受け入れる寛容さが社会に培われてきています。
ランドセルメーカーも、時代の流れに合わせて性別に縛られないカラーを展開しています。
人気のランドセルの色は
ランドセルの色がカラフルになった分、迷う方も多いのではないでしょうか?
そこで、ここでは、「人気のランドセルの色」をお伝えします。
2023年度のランドセル購入者を対象とした一般社団法人「日本鞄協会 ランドセル工業会」のアンケート結果によると、以下のようなランキングとなっています。
この図を見て以下のような傾向がわかります。
- 半数以上が黒を選んでいる
- ダークカラーが上位を占めている
男の子はやんちゃに遊ぶことから、親が傷などが目立ちにくい濃いカラーを希望することが多いそうです。
私にも男の子がいます。
6年間使うとなると、濃いカラーを選んじゃいますね。
また、戦隊モノのセンターのヒーローのカラーが赤であることから、赤色を好む男の子もいます。
しかし、ランドセルメーカーによると親の勧めで「ベースは黒で赤のラインが入ったランドセル」を購入することも多いそうです。
まだ親の中での性別による色のイメージが強く、男の子が赤やピンクのランドセルを購入するのはハードルが高いようです。
親としては、「お友達から、からかわれるのではないか」という心配をしてしまうのも当然でしょう。
- パステルカラーが上位を占めている
- 男の子に比べ、購入したランドセルの色の系統に分布が見られる
女の子は、「好きなキャラクターやプリンセスのイメージカラー」をランドセルの色として選ぶ子が多いようです。
小学校入学前の年頃では、女の子の方がファッションや持ち物にこだわりがあり、また自分の意思を言葉にするのが上手な子が多いので、本人の意向が反映されやすいとも考えられます。
また、男女ともに5位にジェンダーレスなカラーであるこげ茶、うす茶がランクインしているのも近年の時代の流れを反映していますね。
豊富な色とデザイン|ランドセル新時代到来
ここまで、ランドセルの色についてお話ししてきました。
ランドセルは色だけじゃなく、他の面でも進化しています。
ここからは、色以外の面から今人気のランドセルを具体的に紹介していきますね!
ランドセルを販売しているブランドは、大きく分けてメーカー系と、工房系に分かれます。
メーカー系は工場で大量生産している機能性やデザインに富んだランドセル、工房系は職人が一部手作りするなどの理由から少量生産のこだわりのクラシックなランドセルです。
それぞれの特徴は、以下の通りです。
- 人工皮革を材料としていることが多い
- 本革ランドセルと比べ200g~300g(教科書1冊分)ほど軽く、耐水性にも優れている
- 工場で大量生産するので、基本的には1年を通して購入することができる
- 価格帯は安価なものから高価なものまで揃っている
- デザインが豊富である
- 天然素材やほつれにくい特殊な糸などを使用しており、材料にこだっている
- 職人の手作りでランドセルを仕上げている
- 大量生産できないため、価格は高くなる傾向がある
- 人気のブランドは、夏前には完売する
- 伝統的なシックなデザインのものが主流である
このような特徴があることから、メーカー系は「機能性を重視している方」「個性的なデザインを希望されている方」「一度に見比べて購入したい方」などにおすすめです。
一方の工房系は「子どもに自然素材のものを使わせたい方」「じっくり選びたい方」「シックなものを好む方」などにおすすめです。
なお、工房系ランドセルの中で人気のあるブランドは夏の前に完売してしまうことがあるので、幼稚園年長になる春休みからチェックすることをおすすめします。
人気のメーカー系ランドセルブランド3選
それでは、ここからはメーカー系で押さえておきたい人気の3ブランドを紹介します。
ここでご紹介するのは、以下の3ブランドです。
- セイバン「天使の羽根」
- ハシモト「フィットちゃん」
- 協和「ふわりぃ」
セイバン「天使の羽根」
1つめはテレビCMでもおなじみのセイバン「天使の羽根」です。
セイバンは、100年以上ランドセルを製造している老舗メーカーです。
「天使の羽根」のように「やわらかくって、かる〜く背負える」というキャッチコピーが印象的ですね。
セイバン「天使の羽根」は、キャッチコピーそのままに、実際の荷物より軽く感じる機能や丈夫さに重きを置いて作られています。
毎日の学校生活が楽しくなるようなデザイン、カラーを豊富に揃えているのも魅力です。
ハシモト「フィットちゃん」
ハシモトは、背中にぴったりフィットし、肩への負担を軽くし、お子さんの姿勢ケアも考えているメーカーです。
カラフルランドセルのきっかけとなった2001年のイオンの24色のランドセルは、実はハシモトがOEM生産(委託されて生産)したものです。
ハシモトは、それだけ、染色技術を早くから磨いていました。
そのため、ハシモトでは。ランドセルを80色200種類のカラーとデザインから選べます。
これは購入する側としてはワクワクしますね!
協和「ふわりぃ」
協和は、「1人でも多くのお子さまにランドセルを背負ってもらいたい」という想いで、様々な取り組みをしているメーカーです。
協和では、通常のラインナップの他に、好きな色やパーツを選んで作るオーダーメイドのランドセルも販売しています。
さらに、オーダーメイドで障がい児用のランドセルも製造しています。
また、協和は、社会貢献活動にも熱心な企業です。
協和グループとして、災害にあった家庭の小学生に、新品および再生ランドセルを寄贈、生活保護家庭や生活困窮家庭の新入学児童に新品ランドセルを寄贈する「ふわりぃ基金」を立ち上げ、社会貢献活動もしています。
思わず応援したくなる企業ですよね!
各ランドセルメーカーが、子どものことを真に考えて作っているのだと知ると、ランドセルを選ぶ楽しさがさらに増しますね。
では、次は近年人気が出ている工房系ランドセルの人気ブランドを見ていきましょう。
人気の工房系ランドセルブランド3選
近年、人気の工房系ランドセルの中にはすぐに完売してしまうものもあります。
ここでは、注目のモデルはすぐに完売してしまう人気の工房系ランドセルブランドを見ていきましょう。
今回ご紹介するのは、以下の3ブランドです。
- 土屋鞄
- 鞄工房山本
- 池田屋
土屋鞄
土屋は、良質な素材選び、丁寧な縫製にこわだり、負荷のかかりやすい箇所はミシンに加えて手縫いで補強をするなど、手仕事の温もりを宿しているブランドです。
土屋鞄では、「1年生の時も、6年生の時も似合う色」を軸に、自然の色からイメージを膨らませた美しくて奥深い、凛とした色を提案しています。
また、ファッションデザイナーの皆川明さんが手がける「ミナ ペルホネン」とのコラボレーションランドセルも展開しており、色彩豊かで素敵です。
色に迷ったら、自然な色展開の土屋鞄もおすすめですね!
鞄工房山本
鞄工房山本は、1枚の革選びから始まる数百もの製造工程を奈良の自社工房で手がけているメーカーです。
その理由は、「子どもにとって、ランドセルが初めての『一生もの』になるように」と願ってのことだそうです。
鞄工房山本の創業の原点は、男の子のランドセルが黒一択だった時代、青が好きだった息子のために世界にひとつの「艶めく濃紺のランドセル」を特別に仕立てたことでした。
奈良の工房では、「ランドセル贈呈式」という作り手から子どもたちに直接ランドセルを渡す記念イベントも開催しているそうです。
ランドセル贈呈式をしてもらったら、一生の思い出になりますね!
池田屋
池田屋は、高学年になっても飽きがこない、シンプルで洗練されたデザインを提案しているメーカーです。
素材の強度と防水性にとことんこだわっているのが特徴で、耐水性と強度を下げる原因となる刺繍は入れない徹底ぶりです。
池田屋のホームページには、「刺繍に染みこんだ水がそのまま縫い糸を伝ってランドセルの内側に染みこむ」、「刺繍により針穴が増えると強度が下がってしまう」ことが刺繍を入れない理由として挙げられています。
そんな池田屋のランドセルの強度は、一般的なランドセルに比べ約1.5倍だそうです。
しかも、91色のカラーバリエーションからランドセルの色を選べて、丈夫な上に好きな色を選べるブランドです。
丈夫で色も選べるなんて、私のように男の子がいるママさん、要チェックですね!
形だって進化中|ランリュックとは
ランドセルの「重量化と高額化」から、安価で軽く、遠足にも使えるナイロン製のランドセルリュック、通称ランリュックも各メーカーから発売されています。
近年では、ランドセルが「重量化」「高額化」しています。
そこで、逆に、安価で軽い物を求める顧客のニーズにこたえて遠足にも使えるナイロン製のランドセルリュック、通称ランリュックが各メーカーから発売されています。
価格も1万円台からと、非常にお手頃です。
そのため、高学年になって落ち着いた色を好むようになった子どもがセカンドランドセルとして選ぶこともあるそうです。
ここでは、人気のランリュックを3つご紹介します。
- モンベル「わんパック」
- イオン「ラクスタイル」
- ニトリ「洗える超軽量ランドセル」
モンベル「わんパック」
人気アウトドアブランドのモンベルが手掛けるわんパックは、もともとは富山県立山市と開発したもので、立山市の新小学1年生に市からプレゼントされたことで誕生しました。
このニュースで話題となり、一般発売されることになりました。
スタイリッシュで高機能ながら、1万5千円弱というリーズナブルな価格も魅力です。
アウトドアブランドらしく水に強い丈夫なナイロンで作られているのも魅力です。
おしゃれなアウトドアブランドモンベルのバッグが、このお値段ならセカンドランドセルとしてもいいですね!
イオン「ラクスタイル」
イオンからは3タイプのランリュックが展開されています。
3タイプとも重さは1kg未満で、軽くて体への負担が少ないのが特徴です。
素材は再生ポリエステルを使用しており、環境に配慮された製品です。
環境に配慮された製品は、子どもの教育にもいいですね!
ニトリ「洗える超軽量ランドセル」
リーズナブルなインテリアメーカーとして有名なニトリも、近年はランドセルを販売しています。
ナイロンとポリエステルからできており、830gという軽さを実現しています。
このリュックには、ランリュックの蓋部分がガバッと全開するフルオープン機能があります。
子どもはよく探しものをするので、この機能は嬉しいですね。
しかも、手洗いもできるそうですよ!
これは活発な男の子のママさんには嬉しいですね。
ポイントを押さえてラン活を楽しもう
ここまで、「ランドセルの色がいつからカラフルになったのか?」という疑問にお答えすべく、ランドセルの色の歴史やカラフルになった背景をお話ししてきました。
さらに、色が多すぎて逆に困る方のために、人気の色についても解説しました。
- ランドセルの色はいつからカラフルに
-
- 2001年にイオンがカラフルなランドセルを発売したのが始まり
- カラフルになる前はランドセルの色は黒か赤
- カラフルランドセルが登場した理由は「製造技術の進化」と「子どもの個性を尊重する教育」をするようになったため
- 人気のランドセルの色は
-
- 男の子は半数以上が黒を選んでいる
- 女の子は比較的色の選択の幅が広い
- ジェンダーレスな茶色系も人気がある
また、ランドセルは色以外の面でも進化しており、「ランドセル新時代」が到来しています。
- ランドセルにはメーカー系と工房系がある
-
それぞれの特徴を踏まえて選ぶとよい
- 人気のメーカー系ランドセルブランド3選
-
- セイバン「天使の羽根」
- ハシモト「フィットちゃん」
- 協和「ふわりぃ」
- 人気の工房系ランドセルブランド3選
-
- 土屋
- 革工房山本
- 池田屋
- 形だって進化中|ランリュックとは
-
ランリュックとは遠足にも使えるナイロン製のランドセルリュックで、以下のような商品が販売されている。
- モンベル「わんパック」
- イオン「ラクスタイル」
- ニトリ「洗える超軽量ランドセル」
各ランドセルメーカーが心を込めて作ったランドセルは見ているだけでもワクワクしてきますね。
一生に一度の大事なランドセル選び、ぜひ様々なものを見てみてくださいね。
お子さんにとっても、ご家族にとっても素敵なランドセルとの出会いがありますように!
「ジェンダーとランドセルの色について」こちらの記事でも詳しく書いています。
よろしければ、こちらの記事もお読みください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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