
急に入院って言われて、医療費がいくらになるか怖いわ……。
マイナ保険証を使えば、窓口で大金を払わなくて済むのかしら?
入院や手術などで医療費が高額になると、家計の負担や複雑な手続きのことが頭をよぎり、不安になることもあるでしょう。
「いくら請求されるのかしら」「何か特別な申請をしないと損をするの」と、落ち着かない気持ちになるのも無理はありません。
でも、安心してください。
日本には高額療養費制度という、医療費の自己負担額を一定額までに抑えてくれる、とても心強い仕組みがあります。
マイナ保険証を上手に利用すれば、面倒な事前申請の手間を省いて、窓口での支払いをその場でぐっと抑えることができるでしょう。
この記事では、家計管理に役立つマイナ保険証と高額療養費制度の関係を、専門知識がなくてもスッと理解できるように解説します。
- マイナ保険証を利用するメリットと窓口での支払いを抑える方法
- 医療費が高くなっても、自己負担額に上限が設けられる安心の仕組み
- 家族分の合算など、家計を守るために損をしない大事なポイント
ややこしい手続きの話も、ポイントを押さえれば意外と簡単ですよ。
家計をしっかり守るために、まずは基本から一緒に確認していきましょう!
どうぞ、最後までお読みください。
高額療養費制度を適用させる3つの方法





結局、どうすれば高額療養費制度を使えるの?
病院の窓口で何か言わなきゃいけないの?
高額療養費制度は、1カ月(1日から末日まで)の支払いが上限額を超えたとき、その分を保険がカバーしてくれる制度です。
高額療養費制度を利用するための方法は、3つに分けられます。
ただし、マイナ保険証の有無によって、制度の利用方法が異なるため、注意が必要です。
「どのタイミングで、何をすればいいのか」をご自身の状況に合わせて選べるよう、具体的な流れを確認してみましょう。
あなたにとって一番スムーズな方法が、ここから見つかるはずです。
マイナ保険証を利用する
もっとも手間がかからない、スタンダードな方法です。
具体的な手順
- 窓口のカードリーダーにマイナンバーカードを置く
- 顔認証、または暗証番号で本人確認を行う
- 画面上の「限度額情報の提供」に「同意する」を選択する
事前の準備は一切不要です。
その場で支払いが上限額までに抑えられます。
「限度額適用認定証」を提示する
限度額適用認定証の提示をして申請する方法は、従来から一般的に行われてきた手続きです。マイナ保険証を利用しない(または持っていない)方を対象としています。
具体的な手順
- 加入する健康保険組合などで限度額適用認定証の申請書を入手する
- 届いた申請書に記入して返送し、限度額適用認定証が届くのを待つ(通常1週間から10日程度だが、健康保険組合などによって異なる)
- 限度額適用認定証を、病院の会計前に窓口へ提示する
限度額適用認定証が届くまでに日数がかかるため、入院・手術などが決まったら早めの準備が必要です。



社会保険以外の方(国民健康保険・75歳以上など)は少し申請方法が異なりますので、手続きの全体像と合わせて、厚生労働省のホームページで確認してくださいね。
参考:厚生労働省:高額療養費制度を利用される皆様へ
自費で払い後日申請で払い戻す
窓口でいったん、医療費(3割分など)を全額支払い、あとで健康保険組合などから返金してもらう方法です。
たとえば「急な入院でカードが手元になかった」「システムの不具合で使えなかった」など、マイナ保険証が物理的に使えなかった場合に、この手続きを活用します。
具体的な手順
- 病院の窓口で、請求された金額をいったん全額支払う
- 診療から数カ月後、健康保険組合などに申請書を提出する
- 指定の口座に差額が振り込まれるのを待つ
返金まで3カ月以上かかることが多く、一時的に大きな現金を用意しておく必要があります。



返金に3カ月以上かかるのは、病院側の事務処理に時間がかかるからです。
手続きミスではないので、焦らず待っていてくださいね。
高額療養費制度の適用にマイナ保険証を使う4つのメリット





マイナ保険証を使うと、今までと何が違うの?
どんないいことがあるのか具体的に知りたいわ。
高額な支払いが必要な場面ほど、マイナ保険証を使うメリットを実感できます。
マイナ保険証は窓口での手続きが楽になるだけでなく、家計管理の手間を減らす賢い仕組みも備わっているんです。
具体的な4つのメリットを見ていきましょう。
制度の手続きが簡単になる
これまでは、入院や手術が決まったあとに、わざわざ加入する健康保険組合などに申請書を郵送し限度額適用認定証を取り寄せる必要がありました。
急な病気やけがで「書類を準備している時間がない!」というときでも、マイナ保険証なら問題ありません。
病院の窓口にある機械で「限度額情報の提供」に「同意する」というボタンを押すだけで、その場ですぐに制度が適用されます。
無駄な検査や薬代を抑えられる
私たちが「どのような薬を飲んでいるか」「以前にどのような検査を受けたか」を、正確に覚えているのは難しいものです。
一方でマイナ保険証があれば、本人が同意すれば、医師や薬剤師が過去の処方内容や健診結果を確認できます。
過去の処方内容や健診結果が確認できると、薬や検査の重複を避けられるため医療費のムダを省くことができるのです。
確定申告の医療費控除が簡単になる
これまでは、一年分の領収書をすべて保管し、計算機をたたいて集計するのは、大変な作業でした。
マイナ保険証を使えば、医療費のデータがマイナポータルに自動的に集計される仕組みが利用できます。
確定申告の際には、データを取り込むだけで自動計算がすすむため、領収書の整理から解放されるでしょう。
ただし、マイナポータルに情報が反映されるまでには受診した月から数えて約2ヶ月という長いタイムラグが発生してしまいます。
今日支払った分が明日すぐに画面で見られるわけではない、という事実は知っておかなければなりません。
さらに、保険がきかない自費診療分や、薬局で買った薬代、病院への交通費などは自動で集計されないため、今まで通り自分で入力する必要があります。
データに反映されない分を漏れなく申告するため、領収書は必ず捨てずに取っておきましょう。



マイナポータルを使っての確定申告は、国税庁ホームページ令和7年分 確定申告特集で詳しく解説されていますのでご確認ください。
引っ越しや就職・転職後もそのまま使える
引っ越しや再就職で加入している保険が変わっても、マイナンバーカード自体を新しく作り直す必要はありません。
以前は、新しい保険証が手元に届くまでにタイムラグがあり「手元に保険証がないから、一度全額払わなきゃ」と不安になることがありました。
マイナ保険証なら、データの切り替えさえ済んでいれば、新しい資格情報のお知らせなどの書類が届くのを待たずに、そのまま高額療養費制度を利用した受診が可能です。
一時的な全額負担の心配がなくなるのは、家計にとって大きな安心につながります。
高額療養費制度の対象と自己負担の上限





パートの私や家族も使えるのかしら?
うちは上限いくらになるの?
公的医療保険に入っていれば、どなたでも利用できる制度です。
自己負担の上限額は年齢と世帯の年収によって決まります。
まずはご自身がどの区分に当てはまるか、目安をチェックしてみましょう。
対象となる人
会社員、自営業、パート、年金受給者など、すべての公的医療保険加入者が対象です。
もちろん、扶養家族も同様に利用できます。
自己負担額の上限目安
現役世代(69歳以下)で、年収が約370万〜770万円の世帯の場合、1カ月の自己負担は,およそ8万円〜9万円台が目安です。
以下に厚生労働省の基準に基づいた計算式をご紹介しますので、ご自身の年収区分に合わせて、計算式に当てはめてみてください。
| 年収の目安 | 1カ月の自己負担上限(計算式) |
|---|---|
| 約370万〜770万円 | 80,100円+(医療費-267,000)×1% |
| 約770万〜1,160万円 | 167,400円+(医療費-558,000)×1% |
| 約1,160万円〜 | 252,600円+(医療費-842,000)×1% |
なお、入院中の食事代や差額ベッド代、診断書料などの保険外の費用は制度の対象外です。



他にも、家族の分をまとめて計算(世帯合算)できたり、入院が続くと上限額がさらに下がる(多数回該当)おトクな仕組みがあるんです!
詳しくは後ほど解説しますね!
※参考:70歳以上の方はさらに上限額が低く設定されていますので、詳しくは厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆様へ」をご確認ください。
家計に役立つ医療費の節約ポイント





今からできる節約の工夫があれば知りたいわ。
マイナ保険証を使いはじめると、今まで「面倒そう……」とスルーしていた制度が、驚くほど身近に、そして使いやすくなります。
家計を助ける3つのポイントをチェックしましょう。
家族分をまとめる「世帯合算」
同じ保険の家族分を合算して、払い戻しを受ける世帯合算という仕組みがあります。
最大のポイントは、同じ月に一人ひとりの保険診療分が21,000円を超えていることです。
21,000円というハードルを超えた支払いだけが、合算の対象になります。
実際に計算してみましょう。
【例えばこんなケース】
- 妻の手術代(A病院 1月):50,000円
- 夫の入院費(B病院 1月):40,000円
どちらも21,000円をこえているので、合算可能。
合計 90,000円 となり、上限額(約8万円)をこえた約1万円が戻ってくる。
※もし夫の入院が2月なら、月をまたいでいるので合算できない。
世帯合算は、マイナ保険証を持っていてもあとから申請が必要なケースが多いです。
病院が別々だと手続きの案内が届くまでに時間がかかったり、自分から申請しないと戻ってこなかったりします。
領収書は月ごとに家族分をまとめて保管しておくとわかりやすいでしょう。
4回目から安くなる「多数回該当」
治療が長引いてしまったとしても、負担がずっと同じままではありません。
多数回該当という、いわば継続割引のような制度です。
直近の1年間(12カ月)で、上限額まで支払った月が3回あった場合、4回目からは上限額がグンと下がります。
【例えばこんなケース】 年収約370万〜770万円の世帯
- 1回目〜3回目までの上限:約8万円〜
- 4回目以降の上限:一律 44,400円
4回目からは支払いが半分近くにおさえられる。
入院が長引くと不安に思うかもしれませんが、この制度のおかげで、家計へのダメージが小さくなります。
以前は病院が変わるたびに再申請が必要でしたが、マイナ保険証ならデータが連携されるため、転院先でもスムーズに回数が引き継がれ、割引が適用されるのが大きなメリットです。
月をまたいで転院した場合などは、システムへの反映に時間がかかり、新しい病院ですぐに回数がカウントされないケースも稀にあります。
もし窓口で割引になっていなくても、あとから申請すればしっかり戻ってきますので、こちらも領収書は大切に保管しておきましょう。
ただし、一つだけリセットされてしまう条件があるため注意しましょう。
【注意】転職や定年退職などで加入している保険(健公保険組合や国保など)そのものが変わった場合は、過去の回数はリセットされます。
残念ながら、異なる保険の間で回数を引き継ぐ仕組みは今のところありません。
同じ保険に加入している限りは、マイナ保険証があなたの支払い履歴をしっかり守ってくれます。



退職や転職の予定があるなら、なるべく同じ保険に入っている期間内に治療をまとめられるよう、スケジュールを調整するのがいいですね。
年間の総額で戻る「医療費控除」
月々の支払いを抑える高額療養費制度を使ったあとでも、さらに翌年の確定申告で医療費控除が受けられます。
これは、1年間に家族全員で実際に支払った医療費の合計が一定額(一般的には10万円)をこえた場合、所得税や住民税を計算し直してくれる仕組みです。
所得税が戻ってきたり、翌年の住民税が安くなったりと、家計を助けてくれます。



自治体の助成で安くなった医療費も、自分が窓口で実際に支払った分であれば合算できます。
(※全額助成されて窓口負担が0円だった分は、対象外なので注意してください)
何度もお伝えしている通り、領収書だけは必ず捨てずに手元へ残しておいてくださいね。
窓口負担を減らした上で、さらに税金を取り戻して家計を守りましょう。
まとめ:マイナ保険証で賢く医療費を抑えよう
高額な医療費がかかるとき、焦ってしまうのは無理もありません。
しかし、高額療養費制度とマイナ保険証を組み合わせれば、家計へのダメージを最小限に抑えることができます。
下記にまとめましたので確認してください。
- 面倒な書類の取り寄せや、事前申請が一切なくなる
- 窓口での支払いは、上限額までで済む(年収により決まる)
- 確定申告が簡単になり、さらにお金が戻ってくる
- 保険外費用(対象外)の準備だけで済む(食事代・差額ベッド代・診断書料など)
- 領収書は捨てずにすべて残しておく(自費診療や交通費などは自分で申請し保管するため)
- 医療費データの反映には時間がかかる(受診後マイナポータル反映に約2カ月が必要なため)
- 「世帯合算」や「確定申告」は自分で手続きを行う(すべてが自動で完了しないため)
- 保険が変わると通院回数がリセットされる (保険者間の情報連携がないため)
いざというときに慌てないよう、マイナ保険証を利用して、今日から賢く制度を活用していきましょう。
医療費の負担がわかったら、次に備えておきたいのが介護のこと。
介護施設での食費や部屋代を抑えられる制度について、詳しく解説しています。
すぐに読めるので、将来の安心のためにぜひチェックしてみてください。


最後までお読みいただきありがとうございました。
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