このご時世、出かけたくても以前のように気軽に外出できないこともあり、「コロナ太り」に陥っている方は多いのではないでしょうか?
私も今年の4月ごろから外出がめっきり減り、一日中家にこもって毎日のようにレトルト・インスタント食品、冷凍食品などを食べるという「不健康な生活」の見本のような日々を送っています。
一番のダイエット法は言うまでもなく「適度に運動すること」ですが、食事の量や回数、質にも気をつけなければ健康を損なってしまいます。
ダイエットのために食事に気をつけるというと、「炭水化物や脂肪、糖分の摂取を減らすのが良い」と考えがちかもしれません。
しかし最近の研究で、本当に気をつけるべきは食事に含まれる栄養素よりも食品の加工法であり、袋を開ければすぐ食べられる菓子パンや冷凍食品のような「超加工食品」こそ肥満の原因である、という考えを持つ研究者が増えてきているようです。
今回は、
- 「超加工食品」の定義
- なんで超加工食品は太るの?
ということについてご紹介していきます!
そもそも「超加工食品」とは?
人によって「超加工食品」の定義は微妙に異なるのですが、アメリカの国立糖尿病・消化器・腎臓疾患研究所のケビン・ホール氏は加工食品の例として
- 缶詰の鶏肉で作ったチキンサラダ
- 缶詰のシロップ漬けモモ
を挙げています。
つまり「超加工食品」とは、加工食品の中でも特に工場において行われる工数が多いもの、と解釈できます。
なぜ「超加工食品」は太るのか?
冷凍食品やレトルトパウチ食品、菓子パンやケーキなど、確かにあまり体に良くなさそうなイメージはありますが、同じカロリー・栄養量なら自分で材料を集めて同じものを作ってもあまり変わらなさそうな気がします。
ケビン・ホール氏は、多くの人の肥満の原因となっているのが炭水化物などの特定の栄養素ではなく加工食品である可能性について確かめるため、次のような実験を行いました。
- 被験者
一定の体重を維持している健康な男女 各10名
- 実験内容
被験者を4週間入院させて加工食品の食事と非加工食品の食事をそれぞれ2週間ずつ摂らせ、消費カロリーや血糖値、ホルモンのレベルを測定する。
食事は好きな量を食べてよい。
どちらの食事もカロリー・含有する各栄養の量は同じに設定。
結果、加工食品を食べた期間は1日あたりの摂取量が平均508カロリー多くなり、被験者の体重も2週間のあいだに平均で約900グラム増加したそうです。
さらに、加工食品の食事では被験者の空腹ホルモンのレベルが上がり、満腹ホルモンは下がったのに対し、非加工食品の食事では逆の結果が得られました。
つまり、加工食品は満腹感が少なく、食べ過ぎになりやすい、ということが分かったのです。
炭水化物を減らせば痩せる?
おまけで、よく肥満の原因とされる炭水化物についての実験も紹介したいと思います。
- 被験者
肥満の男性10名、同じく肥満の女性9名
- 実験内容
国立衛生研究所の病棟に隔離して高炭水化物・低脂肪食を2週間食べてもらった後、短期間を自宅で過ごしてもらい、再び病院に戻して2週間規定通りの食事を摂ってもらう。
病院に滞在する2度の期間のうちのはじめの5日間の食事は、2回とも
炭水化物:50%、脂肪:35%、タンパク質:15% とした。
その次の6日間は、炭水化物からのカロリーを30%減らした食事を摂らせた。
被験者の体重の増減を防ぐため、それぞれのカロリー摂取量は専用の代謝測定器で計測したそれぞれのエネルギー消費量に一致させた。
この実験によって得られた結果のうち、「低炭水化物食はインスリンの活動を抑える」というものに関しては予想通りでしたが、インスリンの濃度が大きく下がっても時間経過とともに消費されるカロリーの率や体脂肪にはさほどの影響が見られなかったそうです。
また、効率的に体脂肪を減らせるかというダイエットの観点から見ると、低炭水化物食はむしろ体脂肪の減少をわずかにではあるものの遅くしていることが分かりました。
健康的なダイエットのためには、炭水化物を減らした食事は避けた方がよいのかもしれません。
まとめ
今回は、すっかり私たちの生活に浸透した「超加工食品」が、実は肥満の大きな原因になっているかもしれない、ということについてご紹介しました。
しかし、ケビン・ホール氏も「加工食品を食べるのは今すぐやめるべきだ」とは考えておらず、生活の中でごく普通に加工食品を口にしているようです。
ホール氏に限らず、日常的に加工食品を口にしている人のほとんどは、なんとなく体にあまりよくなさそうだという印象を持った上で、それでも忙しい生活の中で時間をかけず手軽に食べられるというメリットからそれらを選んでいるのではないかと思います。私もその1人です。
加工食品には、スーパーで売っている食パンや多種多様のお菓子も含まれます。生活から完全に排除しようとしても、時間やお金、手間がかかり過ぎて難しいという人が大半ではないかと思います。
加工食品に頼りすぎることなく、上手に利用していきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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