突然ですが、あなたは誰かに「ざまあみろ」と思ったことはありますか?
私はあります。(きっぱり)
というか、どなたでも一度くらいは思ったことがある感情ではないでしょうか。
人間だもの。(みつを)
だって、大嫌いな上司がデスクでコーヒーこぼしてあわてている姿なんて見たら、必ず思いますよね。
「ざまあみろ。うふふふ」て。
また、夫婦喧嘩した翌朝に、わざと起こさなかった夫が寝坊して遅刻…なんて時にも思います。
「ざまあみろ。うふふふ」て。
半沢直樹の大和田常務への執念も「いつか土下座させて、ざまあみろ~!と言ってやるぞ!倍返しだぁ!!」という感情ですよね。
ある研究によると、この「ざまあみろ」という感情は、なんとわずか生後9か月の子どもにもある感情なんだそうです。
(誰に対して思うのでしょうかね。お母さん?…)
ということは、この感情は人間の本能と言っていいでしょう。
それくらい誰でも抱きがちな「ざまあみろ」という感情。
実はこの感情のメカニズムをひも解くと、自分にとってステップアップの大きなきっかけであることがわかるのです。
今回は、ちょっと意外な心理学「ざまあみろ理論」についてお伝え致します。
ざまあみろの感情をうまく利用して、ストレスを軽減しながら軽やかに成長しましょう。
「ざまあみろ理論」とは何?
まずは、「ざまあみろ理論」とはいったい何なのか見ていきましょう。
先ほど例に挙げた「上司がコーヒーこぼした。ざまあみろ」という状況は、実は「ざまあみろ理論」とはちょっと違います。
この例では実際にすでに「ざまあみろ!」と思っているわけですよね。
つまりいい気味だ…と思ってもうスッキリしている状態です。
しかし「ざまあみろ理論」とはそれとは違って
「ざまあみろと言ってやりたい!」
という段階の感情のことです。
「見返してやりたい!」という感情とも言えます。
「ざまあみろ理論」は「ざまあみろ」という感情を他の感情に昇華させることが出来る心のシステムのことです。
その心理を、パート先の人間関係を例にみてみましょう。
- Aさんは新しく始めたパート先で、先輩のBさんにいじめられていた。
- ある日、AさんはBさんのミスを押し付けられて、みんなの前で叱責された。
- 悔しいAさんは「いつかBさんを同じ目に合わせてざまあみろ!と言いたい」と強く思う。
- Aさんはその怒りをバネに「今に見ていろ!」と仕事に打ち込む。
- Aさんの仕事ぶりは社内で認められ、一目置かれる存在に。いつしかBさんをはるかに超えている自分に気付く。
- Bさんのことは全然気にならなくなり、「ざまあみろ」よりも「ここまでこれたのはあの時のBさんの一言のおかげだ」とまで思えるようなった。
逆境から立ち上がったAさんの逆転劇!という感じでしょうか。
2と3の段階の感情は、かなりマイナス方向ですよね。
実は人というのは、マイナスの感情の方がプラスの感情よりもエネルギーが強く湧くのだそうです。
「なにくそっ」という気持ちですね。
ここまでの出来事ではなくても、例えばカラオケに行って自信満々に歌ったのに、誰かにあなたの歌をからかわれたりしたら、
「なにくそっ今度はあんたよりうまく歌ってみせるから!」
なんて、心でメラメラ闘志を燃やして、ひっそりヒトカラで練習するとか、ありますよね。
心優しい方の中には、マイナスの感情になると「しゅん…」と落ち込んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。
でもそういう方でもきっと、心の中では「いつかあの人にざまあみろと言いたい!」という思いがひっそりとあるはずです。
(だって生後9か月の子でもあるのですから)
こうして、4から5の段階に行って努力を続け、その結果にたどり着く6の段階こそが「ざまあみろ理論」の大切な部分です。
「ざまあみろ」よりも感謝の気持ちへ
最初はマイナスの感情に揺り動かされて努力を重ねますが、多くの成功体験を繰り返すうちに、
いつしか「ざまあみろ」というステージを超えてしまう。
ということが「ざまあみろ理論」の一番大切な部分です。
そこに出てくる新しい感情こそ
感謝です。
最初は「なにくそっ」というマイナスの感情で始まったことでも、自分の努力によって目標を大きく超えることができると、それはプラスの感情の「感謝」に変化させることが出来るのです。
善良な人ほど、「ざまあみろ」という本音の感情を認めたくないし、「自分はなんて小さな人間なんだろう」と悩んだりしますよね。
そしてその感情から目を逸らしがちです。
でも、その感情は次のステップにいくために自分にとって必要な感情だと認めることで、自分自身がすごく楽になるのです。
その後、6の段階になれば、辛いと思った体験でも今の自分には必要な経験だったんだと、すべてに感謝の気持ちが湧いてきます。
そうなると、
「人生に無駄な経験なんてないんだな」
そんな、余裕のある気持ち持つことができます。
元は、「ざまあみろ」が目的だったのに。
実は私自身が、かつてまさにこの「ざまあみろ理論」を経験したことがあります。
仕事(テレビ業界)を始めて間もない頃に、めちゃくちゃいじめられた先輩がいました。
いやもう最悪で、仕事道具を取られたり、大声で悪口言われたり、後ろから押されて席から蹴落とされたり。
いつかコイツを追い越して、ざまあみろ~って言ってやる!!と強く思っていたら。
ワリと簡単にすぐ追い越せちゃって。
彼女の仕事がどんどん私に廻ってきて。
気付けば、ざまあみろどころか、私にたくさん仕事をくれてありがとう!という余裕たっぷりの感謝の気持ちになりました。
(その先輩はいつしか行方不明になりました)
「ざまあみろ」は自分を変えるチャンスの感情
「ざまあみろ」という感情は、本能から来ているので、完全に抑え込むことはできません。
だからこそ、その感情をエネルギーに変えればいいのです。
納得できない悔しいことがあったら「いつかざまあみろと言ってやる!」と奮起して努力する。
その過程で、辛いことやしんどいことがあっても、最終的に、自分にとって必要な時間だったんだ、と納得できるくらいのところまで到達すれば、
残るのは「感謝」の思いだけです。
結果的に、あの時の苦しみは今のこの成功のためには必要な出来事だったんだな、と思えればプラマイゼロどころか、むしろ大きなプラスです。
自分で努力もせず、マイナスの感情のままに愚痴を吐き散らかしている人は、一生「ざまあみろ」の沼から抜け出すことは出来ません。
人の不幸を願ったまま、なんの成長もないでしょう。
そんな人生よりも、自分の本当の感情を素直に受け入れてより良い未来をつかむために努力した方がいいに決まっています。
とはいえ、日常に起こる数々の「上司のコーヒーこぼした事件」のようなことには、お腹の中でガンガン「ざまあみろ~うふふふ」とつぶやき、ストレスをため込まないようにしましょうね。
夢や目標を叶えたい時、心理学をちょっと知っているととても役に立ちますよ。
良かったらこちらも参考にしてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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