台風が近づくと頭が痛くなる、冷え込むと関節が痛くなる、というお悩みはありませんか?
ズキズキシクシク…しつこく続く痛みは本当につらいですよね。
こういった症状は天気に関係していることから、「天気痛」や「気象病」と呼ばれています。
特に気候が不安定な季節の変わり目には、不調を感じる人が多くなる傾向があります。
どんなに痛くても、育児は休めない。
しょっちゅうなので、家族から理解してもらえない。
今日のプレゼンは絶対に外せない。
とりあえず痛み止めを飲むけれど、薬を常用するのは不安だわ。
生活にさまざまな支障をきたす痛みで、お悩みのようですね。
そんなあなたに、この記事では痛みの原因とその対処法をお伝えします。
天気痛を上手にコントロールして、爽快な気分で毎日を過ごしましょう!
天気痛とは?
はじめに、「天気痛」について簡単に理解しておきましょう。
症状が引き起こされる原因や、なりやすい人の特徴がわかれば、対処法もわかります。
できるだけわかりやすくご説明しますね。
天気痛ってなに?
気温や気圧によって体にはさまざまな症状が引き起こされます。
その症状すべてを「気象病」と言います
痛みだけではなく、めまいやむくみ、喘息の悪化、心臓や脳の病気が重くなることもあるのです。
一時的なものと簡単に考えてはいけませんね。
平成2年に実施されたロート製薬とウェザーニュースとの合同実態調査によると、日本国内では推定1千万人以上が気象病を発症していて、その頻度の平均は週2回という結果が出ています。
症状の種類や度合いは人それぞれですが、日常生活に支障が出ることも少なくないです。
この気象病の中で痛みが出る症状を「天気痛」と呼び、頭痛、首痛、肩痛、腰痛、耳の中の痛み、古傷の痛み、関節痛などの種類があります。
天気痛が起こる原因
低気圧のせいだとよく言われますが、正確には「気圧や気温の変化」が原因です。
台風の接近中など気圧が下がっていく時に痛みを感じる人が多いのですが、低気圧の状態がずっと続けば痛みは治まってくるという実験データもあります。
大気の気圧が下がってくると体内の気圧の方が高くなり、血液中の水分が血管の外に押し出されます。
この水分が「むくみ」となって、頭痛や関節痛の原因物質が生みだされる場合があるのです。
東洋医学ではむくみが出るような水分過多の状態は「水毒」と呼ばれ、さまざまな不調の原因とされています。
また、気圧の変化による脳のストレスによって交感神経が過剰に高まり、血管が収縮するために頭痛が引き起こされることもあります。
この他にも、耳の奥や脳が過敏であるために痛みを引き起こす例など、気温や気圧の変動による不調の原因はさまざまです。
天気痛になりやすい人
では、どのような人が天気痛になりやすいのでしょうか?
次のような傾向があります。
・10〜80代まで幅広い年齢層に発症し、性別では女性に多くみられる
・若年層には頭痛が多く、加齢と共に肩や首のこりや関節痛が増えるという傾向がある
・食事や睡眠などの、不規則な生活習慣による自律神経の乱れにも関係がある
・乗り物酔いをしやすい人は、耳の奥が敏感であるため天気痛になりやすい
女性に多い理由には、男性に比べて自然界に対する感受性が高いことやホルモンの影響などが挙げられます。
現代社会では自然に沿った生活を営めなくなっていることが、女性にとって大きな身体的負担となっているのです。
自宅で簡単にできる天気痛のセルフケア
痛みの手当で最も手軽なのは鎮痛剤を飲むことですが、あまり頻繁に服用していると効かなくなり、より作用の強いものに移行せざるを得なくなることもあります。
薬を飲むことの他に、対処法をいくつか知っておくと安心ですね。
とっさに役立つ痛みのケア
◆耳の周りのマッサージ
頭痛や耳の痛みの場合は、耳の中の血行が悪くなっていることが考えられます。
耳を引っ張ったり、周囲をマッサージすると効果的です。
◆身体を暖める
耳や首周りの冷えも原因となることがあるため、タオルを巻いて暖めるのもおすすめです。
痛みのあるところに影響のない程度であれば、全身の軽いストレッチや筋トレなどの運動もいいでしょう。
◆暗くして寝る
光の刺激によっても、頭痛が引き起こされたり痛みが強くなったりします。
部屋を暗くして寝るだけで楽になることもありますよ。
◆冷やす方がいい?暖める方がいい?
頭痛の場合は、こめかみを冷やすと痛みが和らぐことが多いです。
関節痛の場合は、痛むところが熱を持っている場合は冷やした方がよく、そうでない場合は暖めたほうが楽になります。
ただし血行が悪くならないように、身体全体は暖かくしておく方がいいですね。
◆どうしても症状が治まらないときは
頭痛がひどくなると吐き気など他の症状を引き起こすことがありますし、関節痛の場合は歩けなくなるなど生活に支障をきたします。
そんな時は我慢せずに鎮痛剤を飲みましょう。
医薬品を常用することに抵抗がある場合は、痛みに効果のあるアロマオイルなどを活用するのもいいですね。
日頃からしておくといいこと
◆首の周りを冷やさない
首まわりの血行が悪いと頭・首・肩の痛みが出やすいので、冷やさないようにしましょう。
急な気温の変化に備えて、スカーフを1枚バッグに入れておくと便利ですよ。
また、首の状態を改善すると痛みが軽減されることがあります。
パソコンやスマホを見ている時間が長くなりやすい方は、タオルを使った簡単な体操を習慣にするといいですね。
◆生活習慣を整える
生活習慣の乱れから自律神経がうまく働かなくなることは、天気痛だけでなくさまざまな症状を招きます。
食事・運動・十分な睡眠を心がけることは本当に大事です。
◆「天気痛日記」をつける
これまでに紹介してきた対処法を効果的に行うためには、一定期間「天気痛日記」を毎日つけて、天気と体調の関係を把握しておくことが大切です。
上記のような項目を、簡単なメモでいいので、できるだけ毎日メモしていきましょう。
このデータから自分の痛みの特徴や傾向を把握できるので、どういうタイミングで何をすれば良いかが見えてきます。
毎日記録するなんてムリ……
そんなあなたに、次に便利なアプリやグッズをご紹介しますね!
天気痛に役立つアプリやグッズ
◆アプリ「頭痛ーる」
日々の天気痛に関する記録が簡単にできるアプリです。
記録した時刻の天気や気圧などのデータも、同時に見られるようになっています。
不調の記録を10回すると、自分の痛みと気圧変化の関係性を把握できるという優れもの。
この他にも、頭痛の予測や気圧変化を前日に通知してくれる機能などがあるので、あなたをしっかりサポートしてくれます。
多忙なあなたには強力な助っ人ですね。
公式Webサイトもあり、こちらも自律神経のバランスチェックや寒暖差疲労セルフチェックなどお役立ち情報がいっぱいです!
アプリとWebサイト、それぞれに特徴があるので目的別に使い分けをすると最強ですね。
◆天気痛耳栓
前の項目でタオルを使った体操を紹介している医師の佐藤純先生は、日本で初めて「気象病外来」「天気痛外来」を開設したドクターとして有名です。
気象情報専門の会社「ウェザーニュース」のアドバイザーを務めるなど、天気痛に関わる様々な活動をされています。
この佐藤先生監修による天気痛お助けグッズをご紹介しましょう。
その名も「天気痛耳栓」!
内部にある気圧調整フィルターが、天候による耳の中の気圧変化をコントロールしてくれます。
これを使っていると頭痛が軽減されるという口コミが多く見られました。
天気痛だけでなく、飛行機の離発着時に感じる痛みや違和感の軽減にも効果がありますよ。
昨年には女性向けに開発された「おしゃれ天気痛耳栓」も登場しました。
ピアスのような感覚で違和感なく使えるので、嬉しいですね。
天気痛かも…と思ったら、何科で受診する?
あまりにも痛みが強い場合や症状が長引くなどの場合は、医療機関で受診することをお勧めします。
でも、何科へ行ったらいいのかしら?
医療機関にはさまざまな種類があり、例えば西洋医学と東洋医学では、症状の捉え方により痛みへのアプローチの仕方が異なります。
自分はどのような診療や治療を受けたいのかも大切なことです。
よく考えて受診先を決めましょう。
天気痛外来・気象病外来
最近ではこういった名前の診療科も少しずつ増えてきましたが、まだ数は少ないです。
「天気痛」または「気象病」で検索して、通院できる場所にあればそちらで受診しましょう。
<一般的な病院やクリニック> 痛むところの専門外来
西洋医学を基にした診療を行う一般的な病院やクリニックでは、身体の部位によって診療科が分かれています。
何科を受診すればいいか悩むことは、少なくないのではないでしょうか?
痛む場所によって頭痛外来、耳鼻科、整形外科などで診察を受けられます。
それぞれの症状に応じて、痛み止めなどの薬が処方されるのが一般的です。
痛むところに直接アプローチする対症療法が基本ですが、痛むところだけでなく原因となっている心身の状態に応じて、漢方薬を処方する医師も増えてきました。
天気痛には「五苓散」などがよく用いられます。
気圧の変化を感じ取っているのは「内耳」であることから、予防策として乗り物酔いを防ぐ薬を使うこともあります。
関節痛の場合は、服薬の他に電気的な治療やマッサージなども行われています。
<東洋医学> 漢方内科、鍼灸院など
全身の状態を診たうえで、根本的な原因を探って治療するのが東洋医学の特徴です。
腰痛の原因が実は内臓の疲労だったなど、意外な指摘に驚かされます。
漢方内科では漢方薬の処方、鍼灸院では鍼・灸・マッサージの施術が一般的ですが、治療と同時に食事・運動・睡眠など生活面で気を付けることも指導してくれる場合が多いですね。
こういった理由から、私は原因がはっきりしない痛みや不調の場合は漢方内科や鍼灸院に行くことが多いです。
「漢方」を標榜していなくても、治療に漢方薬を使う病院や医院も多くなりました。
一般的な病院やクリニックでも処方箋を出してくれる場合があるので、必要があれば相談してみるといいですよ。
適切な種類の薬を市販薬より安く入手できるので、安心です。
【天気痛】あなたの痛みはお天気のせいかも? まとめ
この記事では「天気痛」についてお伝えしてきましたが、最後にポイントをまとめておきましょう。
●「天気痛」は気温や気圧の変化によって引き起こされる頭痛や関節痛のこと
● 年齢性別を問わず発症し、不規則な生活習慣による自律神経の乱れにも関係している
● 痛み止めだけに頼らず、自分でできる痛みの対処や予防をすることも大切
● 天気痛予報をお知らせしてくれるアプリや、痛みを軽減するグッズも活用できる
●「天気痛外来」の他、対応する医療機関が増えているので相談するのもGood!
痛みは我慢するものではなく、セルフケアや医療機関の受診によってコントロールできるものです。
気持ちよく仕事や育児に集中できる日々をお過ごしくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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