突然ですが、あなたは史群アル仙(シムレアルセン)という漫画家をご存知でしょうか?
Twitterで見た記憶があります。
確か、今は違う名前で活動しているのよね?
史群アル仙さんは、2019年に「七野ワビせん」に改名しました。
手塚治虫先生を思わせるようなノスタルジックな画風で、エッセイやホラーなどさまざまなジャンルの漫画を発表しています。
2014年頃から漫画をTwitter上で発表して話題になったアル仙さん。
Twitterの投稿がきっかけで漫画家デビューしました。
アル仙さん(七野ワビせんさん)はTwitterで現在7万人以上のフォロワーがいる人気の漫画家さんです。
「史群アル仙」で名前が知られているのに、なぜ改名したのでしょう?
今回は、アル仙さんの作品『史群アル仙のメンタルチップス~不安障害とADHDの歩き方~』を読んで改名の理由を筆者なりに考察しました。
漫画家デビュー前から改名に至るまで、アル仙さんの歩みを4つの時期に分けて振り返ります。
- 師匠との出会い
- Twitter投稿漫画をきっかけに漫画家デビュー
- 転機となった作品
- 改名時期
さまざまな困難に遭いながら、漫画家になる夢を叶えて名前を変えた史群アル仙さん。
「史群アル仙」また「七野ワビせん」を知らなかったあなたも、この記事を読めばきっと興味がわいてきますよ。
史群アル仙から七野ワビせんへ改名の理由は?
こちらは、アル仙さんのプロフィールから抜粋したものです。
2019年諸事情により改名(史群アル仙→七野ワビせん)
幼少期より漫画と共に育ち、手塚治虫先生に憧れて漫画家を志しました。
(中略)
※改名について詳細は話せませんが、前向きな決断だという事はお伝えします!
引用:マンガノ
プロフィールにもあるように、アル仙さんは改名の理由を公表していません。
そこで、アル仙さんの改名の理由を筆者なりに考察してみました。
アル仙さんが改名をしたのは、精神的に落ち着き前向きな気持ちを持てるようになったからではないかと考えています。
「自分のことを知ってほしい」
「同じ境遇の人とつながりたい」
このような前向きな思いが出てくるまでの道のりが、コミックエッセイ『史群アル仙のメンタルチップス~不安障害とADHDの歩き方~』に描かれています。
この作品には誰にも理解されない、自分でも理解できない病を抱えながら生きていく苦労が赤裸々に描かれています。
アル仙さんの心境の変化が感じられる作品です。
「史群アル仙」から「七野ワビせん」へ改名理由を作品から考察
ご自分のことをつづったコミックエッセイ『史群アル仙のメンタルチップス~不安障害とADHDの歩き方~』
筆者はこの作品がアル仙さんが改名を決心するきっかけになったと考えています。
改名に至るまでの心境の変化を考察していきます。
デビュー前から、改名までのアル仙さん歩みをを4つの時期に分けました。
- 師匠との出会い
- Twitter投稿漫画をきっかけに漫画家デビュー
- 転機となった作品
- 改名時期
4つの時期がアル仙さんにどんな影響を与えたのか見ていきましょう。
師匠との出会い
アル仙さんは漫画家になる夢を持ちながらアルバイト生活をしているときに、パニック障害の発作を起こして病院で診察を受けます。
その後心身ともに状態の悪い時に、芸術家の菩須彦(ボスヒコ)さんに出会いました。
菩須彦さんは、アル仙さんの師匠となる方です。
菩須彦さんの助言で病院を変え、アル仙さんは改めてADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断されます。
注意欠如・多動症(ADHD)とは
発達年齢に比べて、落ち着きがない、待てない(多動性-衝動性)、注意が持続しにくい、作業ミスが多い、(不注意)といった特性があります。
多動性-衝動性と不注意の両方が認められる場合も、いずれかいっぽうが認められる場合があります。
出典:厚生労働省ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_develop.html
物事がうまくいかない言い訳に診断結果を利用し、何でもすぐ諦めるようになったアル仙さん。
そんなアル仙さんを見かねて、菩須彦さんがかけた言葉があります。
「診断は免罪符にならないし、してはいけない」
アル仙さんは、その言葉を今でも自分の戒めとして大事にしているそうです。
菩須彦さんのことを「初めて真面目に叱ってくれた人」と語っていて、アル仙さんの菩須彦さんへの信頼がうかがえます。
アル仙さんにとって、菩須彦さんと出会いは救いだったと感じました。
菩須彦さんとの出会いをきっかけに漫画家になりたいという幼少期からの夢を取り戻したアル仙さんは、執筆活動を再開させます。
Twitter投稿漫画をきっかけに漫画家デビュー
アル仙さんがTwitterに漫画を投稿するようになったきっかけは、1ページ完結の漫画から「たくさんの人に感想をもらおう」と思ったからでした。
Twitterに投稿した漫画は瞬く間に拡散され、出版社の目にとまります。
投稿していた漫画を一つにまとめた『今日の漫画 史群アル仙作品集』が2014年に書籍化され念願の漫画家デビュー!
Twitter投稿漫画の手ごたえから「生きる意味をもらったと思う」と話しているほどアル仙さんにとって大きな出来事でした。
こちらが反響の大きかった投稿漫画『狂人になり切れなかった男』です。
独特の作風から放たれる強いメッセージは、多くの人から賞賛されています。
転機となった作品
アル仙さんが、コミックエッセイ『史群アル仙のメンタルチップス~不安障害とADHDの歩き方~』を描き始めたのは2017年からです。
アル仙さんは、コミックエッセイを描くまでに少しづつ自信をつけながら前向きな気持ちを持ち始めます。
このエッセイから筆者が読み取った気持ちの変化を表にしました。
アル仙さんは『史群アル仙のメンタルチップス~不安障害とADHDの歩き方~』を描きながら過去を振り返り「自分をモデルにしたらどんな漫画ができるだろう?」と考えられるほど前向きな気持ちになったのでしょう。
未来に目を向けたからこそ、アル仙さんは改名や新しい環境に身を置く決断をしたのではないでしょうか。
改名時期
アル仙さんは2019年6月に菩須彦さんの元を離れ独立したタイミングで「七野ワビせん」に改名しました。
同年9月に上京したことをTwitterに投稿しています。
これから一人でやっていく決意の表れですね。
プライベートでは上京後に、現在のパートナーのネギオさんに出会います。
七野ワビせんとしての活動~現在
独立改名後「七野ワビせん」として作品を発表しています。
2019年以降発表された作品はこちらです。
- 『ブラック・ジャックガール』改名後初の単行本発売
- 『グルグルギューン!』
- 『ハカセの失敗』
- 『ナイトメア・ファミリー』全2巻
- 『我々は病んでいる!』
こちらは、作品の表紙です。
ワビせんさんのレトロで可愛らしい画風は変わらないですね。
ワビせんさんは、上京してから出会ったネギオさんと2020年12月に結婚。
ネギオさんも精神疾患を抱えているのでお互い理解し、支えあいながら生活しているそうです。
2022年現在ワビせんさんは、療養しながらスローペースで執筆を続けています。
「史群アル仙」から「七野ワビせん」へ改名理由の考察まとめ
アル仙さんの改名理由を考察してきました。
筆者は「史群アル仙」から「七野ワビせん」へ改名した理由は、これから新しく自分の足で歩いていく決意表明だと考察しました。
アル仙さんは、菩須彦さんとの出会いや病気の治療を経て気持ちに変化が出てきたのではないでしょうか。
『史群アル仙のメンタルチップス~不安障害とADHDの歩き方~』を読むと、すべてのことがままならない苦しい時期から、しだいに自分自身を見つめなおし、前向きに変わっていった気持ちの変化がうかがえます。
デビュー前から、改名に至るまで4つの時期に分けてアル仙さんの歩みを見てきました。
- 師匠との出会い
- Twitterに漫画を投稿
- 転機となった作品
- 改名
独立、改名後は、共に歩いてくれるパートナーネギオさんの存在が大きいでしょう。
史群アル仙から七野ワビせんに改名後の作品も、どこか懐かしくて悲しくて苦しいけど、読後は優しい感情に包まれます。
興味をもったかたは、ぜひ作品を手に取ってみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
スポンサーリンク
コメントはこちらからどうぞ