続々重版し、25万部突破のベストセラーになっている(2020年7月)、
『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(著者:武田友紀 出版社:飛鳥新社)をご紹介します。

予約殺到の「HSP(とても敏感な人)専門カウンセラー」武田さんによる初めての本です。
日本テレビ系「世界一受けたい授業」で紹介され、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんも「繊細」についてツイートするなど話題になっています。
『繊細』
カウンセラリングの先生に
HSPだと言われました…
昔からなぜ自分だけ?と
不安に思ったこともあるけれど
HSPなんですよと言われたら
とても気持ちが楽になった…
#HSP— 田村淳 (@atsushilonboo) December 26, 2019
どんなことが書かれているのでしょうか?
気になりますよね。
この記事を読めば、
- 「繊細さん」とはどんな人なのか
- この本にはどんなことが書かれているのか
がわかりますよ。
「繊細さん」である私自身が読んだ感想も書きました。
ぜひ最後までお読みください!
この記事の中で書かれている引用文は全て、『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(著者:武田友紀 出版社:飛鳥新社 2018/7/25)から引用しています。
目次
「繊細さん」ってどんな人?

「繊細さん」とは、人一倍感じる力が強く、物事を深く考える人たちのことです。
アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱したHSP(Highly Sensitive Person)という概念をもとにしています。
HSPを分かりやすく簡単な言葉で表現すると、「繊細すぎる人」や「人一倍敏感な人」という感じです。
著者の武田さんはご本人もHSPであり、HSP専門のカウンセラーさんです。
武田さんは繊細さや敏感さを、いいものとしてとらえ、HSPを親しみをこめて「繊細さん」と呼んでいます。
「敏感な人」「細かすぎる人」と言われるより、「繊細さん」と言われた方がなんとなく気持ちがいいですよね。
自分が繊細さんかどうか、この本に書かれている23個の質問に答えることでわかります。
例えばこんな質問です。
- 他人の気分に左右される
- 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
- 時々神経が擦り切れたように感じ、一人になりたくなる。
- 仕事をするとき、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる。
他に19個の質問があり、この23個の質問のうち、12個以上に「はい」と答えた方はおそらくHSPとのこと。
私も13個ありました。
「職場で機嫌が悪い人がいると、気になって仕事がしづらい」
「相手の気持ちを考えすぎて、自分の意見が言えなくなってしまう」
なんてことがよくあります。
私は「繊細さん」だったんですね……。
ショック、というよりわかってよかったです!
繊細さは生まれ持った気質であり、「生まれつき繊細な人」が5人に1人の割合で存在するということがわかっています。
繊細さんって結構たくさんいるんですね!
この本では繊細さを克服すべき短所ではなく、活かすべき長所としてとらえています。
「繊細さん」が繊細さを大切にし、元気に生きる技術が書かれているのです。
『「繊細さん」の本』の内容

ではこの本の内容をみていきましょう。
第1章 繊細さんがラクになれる基本
第2章 毎日のストレスを防ぐカンタンなワザ
第3章 人間関係をラクにする技術
第4章 肩の力を抜いてのびのび働く技術
第5章 繊細さんが自分を活かす技術
第1章 繊細さんがラクになれる基本
この章には、繊細さんが悩みがちな例がいくつか紹介され、ラクに生きる基本的な方法が書かれています。
繊細さんは、人と長くいっしょにいると疲れてしまいます。
それは、繊細さんの神経システムが関係しています。
「誰かが無理をして笑っていないかな?」
「全員のお皿に料理が取り分けられているかな?」
こんなことが気になってしまうんですね。
感じる力が強いんです。
繊細さんは人と会った後、ひとりでゆっくり心を休める時間が必要です。
また繊細さんは
- 雑に仕事をするということができません
- 誰かの気持ちに気付かないでいることができません
- 意見はあるけれど、相手のニーズに答えなければと思うととっさに言葉が出てこなくなります
そのような繊細さんに、武田さんはこう言っています。
自分の本音をキャッチし、自分の本音を大切にすることで、繊細さんのつらさはどんどんラクになり、見違えるように元気になっていきます。
p,54
繊細さんは、自分の本音に耳を澄ますことが必要で、そうすることで生き方がラクになるんですね。
第2章 毎日のストレスを防ぐカンタンなワザ
繊細さんは、人の感情や物音、わずかな光などから、さまざまな情報を感じ取ってしまうため、ストレスを感じてしまうことが多いです。
この章には、五感別の刺激予防法や刺激回復を早める方法が紹介されています。
具体的には、
- 伊達メガネをかけて自分の見える範囲をわざと狭める
- ノイズキャンセリングイヤホンや耳栓をして気になる音を防ぐ
- マスクをしたり好きな香水をつけることで、嫌な匂いを包み込む
などです。
自分に合った「モノ」を使って、五感を刺激から守ることでとてもラクになります。
刺激から受けるダメージを減らすことが大事なんですね。

第3章 人間関係をラクにする技術
この章には、人間関係をラクにする方法として、「繊細さんとしての自分を出していくこと」や「自分のペースの守り方」など、対人関係のコツについて書かれています。
人間関係とは、「表に出している自分」に合う人が集まってくる、というシンプルな構造です。
つまり、「本当の自分」を抑えて殻を被っていると、その「殻」に合う人が集まってきてしまうのです。
たとえば、職場でテキパキしてしまうと、「テキパキしていいな」という人がその人の周りに集まってきてしまいます。
そうすると「もっとテキパキしなくては」と思ってしまい、自分を置いてきぼりにしてしまうのです。
繊細さんは殻を被ろうとせず、素の自分を出せば出すほどラクに生きることができます。
また、繊細さんは人のことを嫌えないために苦労します。
でも武田さんの考え方はこうです。
嫌いな相手は避けていいし、可能ならその人の相手は誰かに任せる方が、お互い幸せな時間が増えるのです。
p,109
びっくりしました。
今まで、「人を嫌いになることは悪いこと」と思っていたのです。
でも、嫌いな人は、他の誰かに任せていい。
それが相手のためにもなるとのこと……。
このことを知って、なんだかとっても気持ちが楽になりました。
「キライ」は生きていく上で大切なセンサーなんです。
かかわる人みんなと「共感」の関係を築こうとするから苦しくなるんですね。
第4章 肩の力を抜いてのびのび働く技術
この章には、繊細さんがのびのび働き、安心感を増やす方法が書かれています。
繊細さんは「考え疲れ」や「緊張疲れ」が多く神経が休まらず、体よりも「頭」が疲れてしまっています。
そして、
「やらなきゃいけない仕事があるのに、みんなが忙しくて手が回らないから、私が引き受けて夜遅くまでやっている」
p,171
こんな悩みが出てくるように、繊細さんって職場でとにかく忙しくなりがちです。
武田さんはこう提案しています。
「率先して動くのをやめて、職場でぼーっとしてみよう」
p,175
ぼーっとしていいんだ……!目からウロコです。
また「電話はさっきとったから次はとらない」
「電話がなったら3回に2回は無視し、3回に1回とる」
など、自分にマイルールを作るようにおススメしています。
自分がすべてを背負わなくても、仕事は進んでいくのです。
じつは自分が常に率先して動いていたため、同僚の出番をなくしてしまっていることがあるんですね。
そして繊細さんが幸せに活躍できる仕事の選び方があります。
繊細さんが充実感を感じながら働くには、
- 想い ⇒やりたいこと、いいなと思えること
- 強み ⇒得意を活かせるか
- 環境 ⇒働き続けられるか
の3つが大事です。
繊細さんは自分の得意なことに気付かず、苦手の克服ばかり頑張りすぎてしまいがちです。
でも「苦手なこと」はつまり「向いてないこと」なんですね。
「自分が幸せに働ける仕事ってなんだろう?」と思う時はゆっくり時間をとって、この3つのことをよく考えてみる必要があります。
第5章 繊細さんが自分を活かす技術
この章には、繊細さんの素敵なところと活用術が書かれています。
繊細さんに共通する「5つの力」として、
- 感じる力
- 考える力
- 味わう力
- 良心の力
- 直感の力
を挙げ、その力を強みとして人間関係、仕事、趣味で活かしていく方法が書かれています。
1、感じる力
繊細さんは小さなことに気付いて楽しむのが上手です。
相手の言葉を深く受け取る「聞き上手」さんで、細やかにケアすることができます。
2、考える力
繊細さんは深く考える力があり、独自の観点で物事の改善点を見つけることができます。
3、味わう力
繊細さんは優しさや美しさ、人の暖かさ、「いいもの」を深く受け取ることが得意です。
絵、歌、文章など、自分の内面を表現する繊細さんもいます。
4、良心の心
繊細さんは人間関係のみならず仕事でも良心的です。
営業や接客業の繊細さんは、「心からいいと思うものをすすめたい、売上をあげるためではなく、お客様に合うものを売りたい」と思っています。
信頼関係を作り、自分とお客さん両方にいい結果を出すことができます。
5、直感の心
繊細さんは直感に優れています。
本屋さんでタイトルだけで自分の好みの本がわかったり、外観だけで居心地のよいカフェがわかります。
この直感を使うことで、仕事の問題点にいち早く気付くこともできます。

- 「こうしなきゃ」という気持ちではなく「こうしたい」という本音を大事にすること
- 今本当にやりたいことを大事にすること
- 自分自身と会話すること
自分の思いを何よりも大切にすることで、繊細さんは自分のままで元気に生きていくことができるのです。
『「繊細さん」の本』を読んだ感想

この本で何よりよかったのは、繊細な部分をまるごと肯定してもらえたことです。
今まで「周りの人の目を気にしすぎ」「小さなことにクヨクヨしすぎ」と自分を責めることがありました。
でも、生まれ持った気質である繊細さは変えられるものではないですよね。
自分は繊細なままでいいんだとわかりましたし、繊細さを長所として活かし、元気に過ごす方法を教えてもらうことができました。
また他人を優先し、自分の本音を優先できていなかったという事実にハッとしました。
「自分がどうしたいのか」をきちんと感じ取り、「自分の本音を大事にしていこう」と思いました。
本の中の具体的な対処法はもちろんすごく役に立ちます。
そしてそれ以上に「そのままで大丈夫」という優しいメッセージを受け取ることができました。
中田敦彦さんのYouTube大学でもこちらの本が紹介されていますよ⇒
『「繊細さんの本」』てどんな内容?繊細な私が読んでみた感想まとめ
『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』をご紹介しました。
この本には、
- 繊細さんがラクになれる基本
- 毎日のストレスを防ぐカンタンなワザ
- 人間関係をラクにする技術
- 肩の力を抜いてのびのび働く技術
- 繊細さんが自分を活かす技術
が書かれています。
繊細という個性を受け入れ、繊細さを活かし、一歩前に進む方法が書かれた実践的な1冊です。
カウンセラーによる書籍というだけでなく、著者自身がHSPであるのもあって、とても繊細さんの立場に寄り添っている本だと感じました。
また、HSPの人も、そうじゃない人にも、職場の人間関係が苦しい、自分に合う仕事がわからない、そういった悩みに対するヒントがたくさん書かれています。
繊細さんじゃない人にも、こういう繊細さんがいるんだなっていうことを知ってほしい!
みんなが生きやすくなるために読んでほしい一冊です。
この記事がみなさんの参考になれば幸いです♪
他にも私のおすすめ本をご紹介しています!ぜひご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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