もともとは同じ生き物!?猫と犬に違いができた理由

 

あなたは猫派ですか?それとも犬派ですか?

 

 

容姿の特徴や性格も大きく違う犬と猫。
習性や性格にも、どちらも正反対といっていいほど違いがあります。

 

 

オオカミから進化してきた犬、リビアヤマネコから進化してきた猫とでは生きてきた環境が全く異なるので、習性や発達した部分などが違うのは当然です。

 

 

そんなそれぞれ違いのある犬と猫ですが…
実は大昔、どちらも同じ動物だったんです。

 

 

今回は、意外と知らない人が多い、その猫と犬の祖先についてお教えします。

 

目次

猫と犬の祖先「ミアキス」

約6000万年前、猫と犬はどちらも「ミアキス」と呼ばれる動物でした。

 

 

ミアキスは、ヨーロッパから北米にかけての森林に生息していました。

 

 

ミアキスは今の犬や猫のように地上では生活せず、主に木の上で生活していて、鳥類や爬虫類を捕食していたと言われています。

 

 

そして森林のなかでは、さまざまな生き物たちが生きていくために生存競争が繰り広げられ、ミアキスたちは各々で住処を移動し始めました。
その際に、森林を出て草原地帯へ移動したミアキスが現在の犬へ、森林の中に残ったミアキスが現在の猫へと進化していったのです。

 

 

そんなミアキスの胴体は細長く、長いしっぽを持ち、「 イタチ 」に似ていたと言われています。

 

猫への進化

容姿

森林に残って生活していたミアキスは、木や草などが生い茂る見通しの悪い環境で獲物を探したり敵から逃げたりしなければなりませんでした。

 

 

そのため、俊敏な動きや瞬発力が必要となり、体は比較的小さく進化していきました。
鋭い爪を持つようになったのは、木の上へ登るためです。

 

 

習性

猫が単独行動をする生き物へと進化したのは、身を隠せる場所の多い森林のなかでは集団行動をする必要がなく、むしろ目立たないように単独行動をした方が都合よかったからです。

 

 

単独行動をするようになったミアキスは、もちろん狩りをするのも自分自身ですし、自分だけでしなければいけません。
一匹でもちゃんと狩りができるよう、鳥が羽ばたく音や地上を移動する小動物の足音などをしっかり聞き取るために、超音波まで聞き分けられるほどの鋭い聴覚が発達しました。

 

 

しかし、どんなに聴覚が優れていて獲物の情報をキャッチできても、素早く動く小動物を捕まえるためにはスピードや瞬発力が必須です。
体も筋肉も小さく進化したミアキスは普段から体力を温存しておかなければならなかったので、現在の猫のようにいつもじっとしている過ごし方になりました。

 

 

そして、獲物を追ったり敵から逃げている途中で木の上から落ちても無事着地できるよう、とてもしなやかな体になり、抜群の平衡感覚を持つようになりました。

 

 

猫の祖先であるミアキスはそういった進化をしながら砂漠へと移動していき、「 リビアヤマネコ 」へと進化し、その後に現在の「 イエネコ 」として進化していきました。

 

犬への進化

容姿

森林を出て生活するようになったミアキスは、広い草原を走り回って獲物を捕まえたり、敵から逃げたりしていました。

 

 

たくさん走っているうちに大きな体つきになり、筋肉質になったためスピードや持久力を身に付けました。

 

 

習性

見晴らしがよく、隠れるところの少なかった草原では集団で生活する方が安全でした。

 

 

狩りをするのも、共同で獲物を追い詰める方が効率が良かったことから、現在の犬のように群れで生活するようになりました。
集団で行動することから敵が現れても反撃しやすく、争いになる機会も多かったため、敵を威嚇するために声も大きくなりました。

 

 

また、群れで生活するということは統率チームのリーダーが必要となるので、そこで現在の犬ならではの絶対的な主従関係が生まれました。
犬が、仲間や人間に対して上下関係をつけるのはそういった理由からです。

 

 

食への執着心の違い

猫にごはんをあげても、全部食べきらずに残していたりすることってよくありますよね。
それに対し犬は、出された分は残さず全部食べてしまいます。

 

 

なぜこのような違いがあるのでしょうか?

 

 

猫の場合

猫は単独で行動しているので、自分で捕まえた獲物は全て自分のものになります。

 

 

そして、じっとしていることが多かった猫は、そもそもそんなにたくさん食べる必要もありませんでした。

 

 

猫は単独行動だからこそ次に獲物を捉えることができるのはいつになるか分からないので、必要最低限しか食べずに残った分は置いておく方が良かったのです。

 

 

猫がごはんを食べ残した際にお皿の周りの床をカリカリとひっかくような仕草をするのは、食べ残した獲物を地面に埋めたりして隠しておく習性が身についているからなんですよ。

 

 

犬の場合

群れで行動していた犬は、捕まえた獲物を全て自分で食べられるわけではありません。

 

 

まずリーダーが食べ、その次に上下関係が上である犬から食べることができるので、地位の低い犬は食事にありつけないことだってよくありました。
なので、食べられるものがある時に、一気に食べておくという習慣が身につきました。

 

ミアキスから犬へと近づき人間の狩りを手伝うようになってからは、獲物を探させるため、空腹の状態にされていることがよくありました。

 

そういったことでよけいに食べることへの執着心が増していったのです。

 

 

まとめ

 

猫は、群れを作らず単独でじっとして過ごすことを好み、犬は単独で生きることを嫌がる生き物。
それぞれ大きな違いがありますが、それには大昔に身についた習性が関係していたんですね。

 

 

猫はあまりかまいすぎずにそっとしておいてあげることも大切で、ごはんの管理も自分でできることが多いようですが、逆に犬は与えたら与えた分だけ全て食べてしまうので、飼い主がきちんと管理指定げなければいけません。

 

 

そして犬の場合は、上下関係を大切にする生き物だからこそ家族の上下関係を早いういちから教え込んでおかないと、しつけをする際に苦労します。

 

 

猫も犬もそれぞれ違う特徴や良さがありますね。
祖先のことを少しでも知っておくと、猫と犬の習性や性格の違いであったり、適切な接し方などがもっと理解しやすくなるはずですよ。

 

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