甲殻類にも痛覚がある?「シーフードたちに優しさを」

甲殻痛サムネ

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長い間、エビやカニ、ロブスターなどの甲殻類は痛みを感じないとされてきました。

 

しかし最近の研究で、実は甲殻類にも痛覚がある可能性が高い、ということが分かってきました。

既に、スイスやオーストラリアの一部の州では甲殻類の人道的な殺し方のガイドラインが制作されたり、ロブスターを気絶させないまま調理することが禁止されたりしています。

 

しかし、なぜ最近になって甲殻類にも痛覚がある可能性が高いと考えられるようになったのでしょうか?

 

この記事では、甲殻類に痛覚があるとされ始めた理由、エビ・カニ類のしめ方についてご紹介していきます!

甲殻類も「痛がる」ことを確かめる実験

エビ

 

長い間、甲殻類は原始的な神経系統しかないため苦痛は感じないとされ、エビやロブスターを調理する際もそのまま捌いたり茹でたりすることは珍しくありませんでした。現在でも、国や地域、調理する人の知識によってごく普通にそうした調理法が用いられています。

 

しかし2009年ごろから、実は甲殻類にも痛覚がある可能性が高いとする研究結果が報告されるようになりました。

 

ここで、いくつか実験の内容をご紹介します。

 

イギリス・クイーンズ大学のボブ・エルウッド教授がヤドカリで行った実験

・ヤドカリが入っている殻に弱い電流を流した。

→ヤドカリは「痛そうな反応」を見せた。

・そこへ、少し強い電流を流してみる。

→ヤドカリは殻を捨てて逃げた。

・殻を捨てない程度の電流を流し、別の殻を与える。

→新しい殻に移るヤドカリが多かった。

電流を流さなかったヤドカリにはそのような傾向は見られなかった。

 

同教授がカニで行った実験

カニの好む暗がりを2箇所用意して90匹のカニを放し、カニ達が好きな方を選んで収まったところで片方の暗がりに電流を流す。一度カニを回収し、時間を置いて再度放してみる。

→ほとんどのカニは1度目と同じ場所を選んだ。

1度目と同じ暗がりに再び電流を流し、また回収して放してみる。

→カニは電流を流していない方の暗がりに集まった。

同大学のロバート・エルウッド教授がエビで行った実験

144匹のエビの触角に酸性の刺激物を塗り、反応を見る。

→エビは5分間にわたり、刺激物を塗られた触角をこすったりグルーミングしたりし続けた。

少なくとも現在のところ甲殻類と意思疎通を図る方法はなく、したがってエビやカニが痛みを感じていることを確実に証明することはできません。ここまでに紹介してきた実験の甲殻類たちも、単に生命を脅かす可能性のある刺激を避けたというだけで痛みを感じているわけではないのかもしれません。

しかしボブ・エルウッド教授はこうした実験から得られた結果について、甲殻類に痛覚があるとする説と「つじつまが合う」ものであるとしています。

もし本当にカニやロブスターが痛みを感じているなら、生きたまま熱湯に入れたりそのまま頭や胸と身の詰まった腹部を切り離したり※するのは胸が痛みますね…

(※エビ類の脳や胸部の神経系統は切り離されても1時間以上は機能し続けるそうです。)

私たちの血肉となってくれる命に敬意を払う意味でも、できる限り苦しませずに調理してあげたいものです。

甲殻類の人道的な調理のしかた

カニ

 

ここからは、国内の漁師さんが勧めるしめ方や、動物福祉的な観点から推奨される調理法のうち家庭でできるものを紹介していきます。

 

特にカニはしめないまま熱湯に入れると脚を自分で切り離してしまうので、食卓に並べる際の見た目を良くする意味でもきちんとしめてあげたいところです。

①氷:水=6:4の氷水につける(目安:10分~20分以上)

 

手軽かつ比較的時間がかからないやり方です。脚や尾をゴムなどで固定してから入れます。

似たものに「(海水生のものを)真水につける」やり方がありますが、アメリカなどでは「できる限り避けたい方法」とされているようです。

 

エビに関しては、一度に調理しきれずに余ってしまった場合も氷水でしめてからラップやビニールに包んで冷凍することで美味しく保存できます。

 

②そのまま冷凍庫に30分以上入れる

これも手軽なやり方です。カニのしめ方として代表的な方法の一つです。出して時間が経つと仮死状態から覚めてしまうのですぐに調理します。

個体や種類、冷凍庫の性能によってはうまくいかない場合もあるようです。

 

③急所をキリで突く・包丁を入れる

ワタリガニや伊勢エビなど大型の甲殻類のしめ方です。コツがいりますが、うまくやれば即死させることができます。オーストラリア・サウスウェールズ州のガイドラインでは①や②の方法と併せて行うことを推奨しています。

 

カニの場合

フンドシと呼ばれる、カニの腹側の三角の部分の先端あたりから目の間に向けて、アイスピックやキリなど尖ったものを刺すか包丁で切る。(最初にフンドシ部分をめくると刺しやすい)

まだ暴れる場合は、目の間を腹側から背中側に向けて斜めに刺す。

 

ロブスター・伊勢エビなど大型のエビの場合

包丁とハンマーなどの鈍器を併用し、縦に身体の中央を切って真二つにする。2回に分けて切る場合は、まず尾と頭の接合部あたりから頭に向けて切り、次に尾に向けて切る。

③はそれなりの技術を必要とするため、基本的には①や②のみで良さそうです。

 

まとめ

私たちの健康は、エビやカニに限らず他にも多くの命をいただくことで成り立っています。

 

「調理する際に苦痛の少ない方法を選ぶ」以外に、

 

「いただきます」「ごちそうさまでした」

 

をきちんと言うことで、私たちの命を繋いでくれる食材たちに対する敬意や感謝を表していきたいですね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

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