「本好きの下剋上」ってWEBでよく見かけるけど、人気なのかな?
本好きの下剋上は、宝島社が発行している『このライトノベルがすごい!2023』単行本・ノベルズ部門弟1位となり、シリーズ累計1000万部を突破している大人気小説です。
また、今では小説だけではなくコミック化やTVアニメ放送も始まっています。
では、この小説の一体何が面白くて、なぜこれほどまでに人気が出たのか気になりますよね。
この記事では、小説「本好きの下剋上」の人気の理由や魅力について深掘りしていきます。
- 小説「本好きの下剋上」の人気の秘密
- 小説「本好き下剋上」にWEB小説と書籍がある理由
この記事を読めば、きっとあなたもこの小説を読んでみたくなりますよ!
どうぞ最後までお読みください。
小説「本好きの下剋上」はなぜ人気なの?
「本好きの下剋上」は、小説だけでなくコミックや児童書、TVアニメなど様々な媒体で展開されています。
とても人気のある作品ですが、 どのようにして始まったのでしょうか。
まずは作品の経緯をみていきましょう。
小説「本好きの下剋上」の成り立ち
小説「本好きの下剋上」は、『小説家になろう』というWEB小説投稿サイトでの連載が始まりです。
その後、人気が出るとともに書籍化やコミカライズ化されるようになりました。
経緯などの詳細を以下の表にまとめてみました。
著者 イラスト(小説版) | 香月美夜 椎名優 |
【初掲載・WEB小説】 2013年9月~2017年3月 | 小説投稿サイト「小説家になろう」 全5部 677話で完結 |
【小説】 2015年1月~2023年12月 | 書籍版発売(出版社:TOブックス) 本編全33巻+外伝1巻+短編集2巻 完結 |
【小説・児童書】 2019年7月~刊行 | 児童書版書籍の発売(TOジュニア文庫) 既刊17巻(本編16巻+短編集1巻) |
【漫画】 第一部:2015年10月~2019年2月 (サイトでの掲載期間) 第二部:2018年9月~2022年3月 第三部:2018年4月~2022年3月 第四部:2020年12月~2022年3月 | 原作:香月美夜 作画:鈴華 掲載サイト:comicコロナ 電子書籍、書籍コミック発売(TOブックス) 全7巻(2016年7月~刊行) 作画:鈴華 掲載サイト:comicコロナ、コロナEX 既刊11巻(2019年5月~刊行) 作画:波野涼 掲載サイト:comicコロナ、コロナEX 既刊7巻(2019年2月~刊行) 作画:勝木光 掲載サイト:comicコロナ、コロナEX 既刊8巻(2021年4月~刊行) |
【ドラマCD】 2017年9月~2023年12月 | 全10巻(TOブックス) |
【TVアニメ】 弟1期:2019年10月~12月 弟2期:2020年4月~6月 弟3期:2022年4月~6月 弟4期:未放送 | アニメーション制作:亜細亜堂(弟1期~3期)、WIT STUDIO(弟4期) |
WEB小説と書籍版は、本編は完結しており、児童書とコミックは今も刊行中です。
アニメは弟4期の制作は決まっていますが、放映時期は公表されていません。
小説「本好きの下剋上」のあらすじ・内容
では、「本好きの下剋上は」どのようなストーリーなのか、あらすじをみてみましょう。
何よりも本が大好きな女子大生の本須麗乃(もとすうらの)は、ある日事故に巻き込まれ亡くなってしまう。
「もっとたくさんの本が読みたかった」と、本への未練を残す彼女だが、気が付くと〝マイン〟という名で異世界の5歳の女の子に生まれ変わっていた。
「また、本が読める!」と喜んだ彼女だが、現代日本とは違い、この世界では識字率が低く、書物はほとんど存在しなかった。
しかもマインは貧しい兵士の家庭の娘であったため、希少な本は高価すぎて買うことは不可能だ。
しかし、どうしても本への情熱を諦めることができない。
そこでマインは「本がないなら、作ってしまえばいいじゃない!」と決意する。
再び本に囲まれて生きるために、現代日本の知識を持つマインが異世界で本作りをスタートさせる!
異世界転生の物語
物語の舞台は、エーレンフェストという中世ヨーロッパ風の異世界の都市です。
- 貴族や平民(貧民)が存在し、厳格な身分制度がある。
- 貴族は魔法が使える(稀に平民でも魔力持ちが生まれることがある)。
- 平民の生活圏には文字がほぼ見当たらず、識字率がかなり低い。
- 7歳になると神殿で洗礼を受けて、見習いとして仕事を始める。
- 本を自由に読めるのは、貴族や貴族の身分に近い人。
本須麗乃が転生したマインは、貧民の子であるため、本を手に入れるのは不可能に近い状況でした。
しかし、本への情熱を諦められない彼女は、前世の知識を生かして、自分で本を作ることを決意します。
ところが、自身の体質や環境が原因でなかなかうまく事は進みません。
- 紺色の長い髪、白い肌、金色の瞳をしていて、実年齢は5歳だが、身体が小さく3歳くらいに見られる。
- 極度の虚弱体質(数メートルの距離でも、歩くと倒れる。)
- 継ぎはぎだらけの洋服をいつも着ていて、風呂・トイレ・水道なしの2DKに住んでいる貧民の家庭。
- 兵士の父、母、姉(7歳)の4人家族。
道のりは険しいですが、マインは友人のルッツという少年とともに、試行錯誤を繰り返します。
不利な条件をいくつも抱えた主人公が、周りの協力を得ながら「本を作る」という目標に向けて奔走し、成長していく物語。
全てが「本作り」につながっている
平民の子であるマインですが、「身食い」と言われる強い魔力を持った特殊な体質をしているため、神殿で働くことになります。
マインは、神殿の孤児院の劣悪な環境にショックを受けます。
そこで彼女は、彼女自身で孤児院の運営をすることに決めて、孤児たちの環境改善に努めます。
- これまで劣悪な環境に放置されていた洗礼前(6歳以下)の孤児たちを引き受け、最低限の衣食住を賄う
- 教材用にカルタや絵本などを作製し、文字や計算を学ばせる
- 孤児たちが自分で食費を稼げるように、工房(マイン工房孤児院支店)で仕事を与える
これらは、劣悪な環境で生死の狭間にいる子供たちを救うために行われたのですが、多くの効果を生む結果となりました。
- 栄養状態が改善されて、餓死することがなくなった
- 工房で働く人員を確保することができ、紙以外にも絵本を作ることができるようになり一石二鳥となった
- カルタや絵本を用いることで、洗礼前の子供でも読み書きができるようになった
- 工房で仕事をすることで、技術を身に付けることができた
この世界では、貴族以外が本に触れることはほぼありません。
しかし、このようにして平民の間でも識字率が上がっていけば、本の需要が増えて、世に出版される数も増えていくはずだとマインは考えます。
マインの行いは、すべて本作りにつながっていますね!
小説「本好きの下剋上」の魅力とは
「本好きの下剋上」は主人公マインが、大好きな本を読むために、自分で本を作る物語です。
識字率が低く、平民は本を手にすることがない世界で、無から本を作っていく過程は、この作品の魅力の一つといえます。
現代日本との対比が面白い
この小説のように、異世界転生をテーマにした作品は数多くあります。
「本好きの下剋上」では、異世界転生ものによくみられる「チート」といわれる能力が主人公にない点が、他作品と大きく異なる部分でしょう。
この世界にも魔法は存在していますが、使えるのは一部の貴族だったり制約があるため、簡単に本を作り出したりはできません。
また生活環境や技術が、現代日本と比べるとかなり遅れています。
紙を作るにも、まずは古代エジプトで使われていたパピルスや粘土板を真似て作るところから始まります。
主人公が前世の知識や魔力で無双するせず、原始的な手法で攻略していく様子は、読者に矛盾や違和感を感じさせないほど、とても細かく設定されているため読んでいて引き込まれます!
本作りの基盤を整えていく過程が面白い
虚弱体質な上に資金がないマインは、本作りの資金を集めるために、前世の知識を使って様々な商品を開発していきます。
- 「リンシャン」…アボカドに似た「メリル」という実から抽出した油で作ったシャンプー
- 「パルウケーキ」…「パルウの実」の搾りかす(おからのような物)を使用したパンケーキ(販売はしていない)
- 「書字板」…四角い木枠の中に蝋を流し込み、その蝋を金属のペンで削ることで文字を書く、紙を使わない メモ帳
- 植物性の紙…「トロンべ」や「フォリン」という木材で作った紙
見た目は6歳の少女(物語開始時は5歳)でありながら、大人たちを相手に交渉し、商品と自分を売り込んでいきます。
そうして得た資金で、本を作るための工房を建てたり孤児院の運営をしたりして、本作りの環境を整えていくのです。
主人公の本への情熱が半端じゃない!
孤児院の改革も、子供たちを救うために始めたことですが、結果として全て本作りにつながっています。
「この世界で大量の本に囲まれて暮らしたい」という平民の娘である虚弱な5歳の少女が掲げた目標は、周りからすると到底無理な夢物語でした。
しかしマインは、どのような苦境に陥ろうと、大好きな家族と離れることになろうと、その目標だけは絶対に変わりません。
主人公の目標に対する絶対にぶれない情熱と諦めない姿勢に、周りは次々に魅了されていくのです。
絶対不可能だと思われることも、諦めない情熱と細かな計画、地道な努力で到達することが可能だと思わせてくれる作品。
小説「本好きの下剋上」WEB小説と書籍があるのはなぜ?
「本好きの下剋上」はWEB小説が始まりですが、2015年から書籍化もされています。
WEB小説と書籍版ではどのような違いがあるのでしょうか?
ここからは、WEB小説と書籍版の違いや、それぞれの楽しみ方についてみていきます。
WEB小説と書籍の違い
WEB小説と書籍は、ストーリーの内容に違いはありません。
ストーリーに違いがないなら、WEB小説を読む方がいいのかな?
実は、書籍版の方にはプロローグ・エピローグが全巻に追加されています。
また、本編は同じですが、その他のエピソードはWEB小説と書籍では描かれ方が少し異なっています。
WEB小説 | 書籍版 | |
---|---|---|
プロローグ・エピローグ | 他者視点 | 他者の三人称視点(書籍用書き下ろし) |
本編 | マイン視点 (時々他者視点の閑話あり) | マイン視点 |
短編 | 他者視点の短編は本編ではなく別にまとめられている。(サイト内のSS置き場という箇所) | 他者の一人称視点 |
WEB小説の本編では、ほぼマイン視点で語られているが、書籍版では他者の三人称視点で描かれたプロローグ・エピローグなどが書き下ろしで追加されている。
作品を深掘りしたいなら書籍がおすすめ!
書籍版の方には、他の登場人物の視点から描かれたプロローグ・エピローグが掲載されています。
マインは、本のことになると周りが見えなくなるため、様々な無茶をすることが多いです。
他者視点のストーリーを読むと、側にいた姉や友人が、その様子をどのように感じていたのかを知ることができます。
また、書籍版だと挿絵が入るため、よりイメージが湧きやすく世界観を味わうことができます。
初めにWEB小説を読み、次に書籍版を読むことで、様々な角度から物語を知ることができて、二度楽しめるのでおすすめ!
早く内容を知りたい人にはコミックやアニメも!
小説「本好きの下剋上」は、コミック化やアニメ化もされています。
コミックやアニメでは、音声や視覚的な情報が加わるため、よりいっそう世界観をリアルに感じることができます。
小説は完結していますが、全677話(書籍は全33巻)あるため量が膨大です。
先にコミックやアニメで見た後に小説を読むと、イメージが湧き、深く楽しめるかもしれません。
コミックの場合
- 第1~4部を3名の漫画家が担当しているため、画風が各部で異なる。
- 弟1~4部が同時刊行されている。
- 第2部はまだ完結していないが、弟3部と弟4部は刊行されている。
このような理由から、話のつながりが分かりにくいため、早く先を読みたい場合は小説の方がいいでしょう。
WEB小説「本好きの下剋上」は書籍がおすすめ!
小説「本好きの下剋上」の人気の理由について深掘りしてきました!
成り立ちからおすすめの理由まで、ひとつずつみていきましょう。
著者 イラスト(小説版) | 香月美夜 椎名優 |
【初掲載・WEB小説】 2013年9月~2017年3月 | 小説投稿サイト「小説家になろう」 全5部 677話で完結 |
【小説】 2015年1月~2023年12月 | 書籍版発売(出版社:TOブックス) 本編全33巻+外伝1巻+短編集2巻 完結 |
【小説・児童書】 2019年7月~刊行 | 児童書版書籍の発売(TOジュニア文庫) 既刊17巻(本編16巻+短編集1巻) |
【漫画】 第一部:2015年10月~2019年2月 第二部:2018年9月~2022年3月 第三部:2018年4月~2022年3月 第四部:2020年12月~2022年3月 | 原作:香月美夜 作画:鈴華 掲載サイト:comicコロナ 電子書籍、書籍コミック発売(TOブックス)2015年12月~刊行 全7巻 作画:鈴華 掲載サイト:comicコロナ、コロナEX 既刊11巻 作画:波野涼 掲載サイト:comicコロナ、コロナEX 既刊7巻 作画:勝木光 掲載サイト:comicコロナ、コロナEX 既刊8巻 |
【ドラマCD】 2017年9月~2023年12月 | 全10巻(TOブックス) |
【TVアニメ】 弟1期:2019年10月~12月 弟2期:2020年4月~6月 弟3期:2022年4月~6月 弟4期:未放送 | アニメーション制作:亜細亜堂(弟1期~3期)、WIT STUDIO(弟4期) |
WEB小説から始まり、書籍やコミックなど幅広く展開されていますね。
続いてあらすじです。
何よりも本が大好きな女子大生の本須麗乃(もとすうらの)は、ある日事故に巻き込まれ亡くなってしまう。
「もっとたくさんの本が読みたかった」と、本への未練を残す彼女だが、気が付くと〝マイン〟という名の、異世界の5歳の女の子に生まれ変わっていた。
「また、本が読める!」と喜んだ彼女だが、現代日本とは違い、この世界では識字率が低く、書物はほとんど存在しなかった。
しかもマインは貧しい兵士の家庭の娘であるため、希少な本は高価すぎて買うことは不可能だ。
しかし、どうしても本への情熱を諦めることができない。
そこでマインは決意する。
「本がないなら、作ってしまえばいいじゃない!」と。
本に囲まれて生きるために、現代日本の知識を持つマインが異世界で本作りに挑む。
様々な困難を抱えるマインが、多くの人と出会い、試練を乗り越え成長していく物語。
この小説の魅力についてです。
- 主人公は前世の知識で無双しないで、原始的な手法で地道にすすめる
- ファンタジーでありながら違和感や矛盾を感じさせないほど、設定が細かい
- 資金を得るために、前世の知識を生かして色々な商品を開発する
- 孤児院での活動など、全てが本作りにつながっている
- 社会的弱者である主人公だが、夢への情熱を諦めない姿に、他の登場人物も読者も魅了される
次に、WEB小説と書籍版との違いについてです。
- 書籍版には各巻にプロローグとエピローグが追加されている
- 同じ他者視点でもWEB小説は1人称視点、書籍版では3人称視点が用いられ、描かれ方が異なっている。
書籍やコミック・アニメをおすすめする理由です。
- 主人公の視点だけではなく、他者視点(3人称)でも読むことで、作品に立体感が出る
- 書籍には挿絵が加わるため、作品の世界観を感じやすい
- 最初にWEB小説を読み、次に書籍を読めば、さらに詳しく作品を知ることができる
- 活字が苦手だったり、全677話を一から読むのに抵抗がある人
- コミックやアニメの方が好きな人
- コミックは第1部から順に刊行されているわけではないため、早く先を読めなくても平気な人
WEB小説から書籍化された「本好きの下剋上」は、今でもその人気は続いています。
異世界転生をして、現代日本と比較できないほど不便な生活を強いられたマインが、目標のためにかけあがっていく姿は、読み手の心をうつものがあります。
読んでみようか悩んでいた人も、ぜひこの機会に読んでみてはいかがでしょうか。
きっと、心に残る何かに出会えるはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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