突然雨が降ってきてビショビショになっちゃった…
さっきまで晴れていたし、天気予報では雨の予報じゃなかったのに?
いつどこで発生するかわからないゲリラ豪雨。
「突然の雨でびしょぬれなんて不幸をどうにか避けられないものか」
「雨に降られてしまったときにいつまで雨宿りすればいいのだろう」
このように考えたことはありませんか?
気象庁では高性能レーダーを導入し、ゲリラ豪雨の予測精度を上げるように努めていますが、いつどこで雨が降るか正確な予報ができないのが実情です。
しかし、ゲリラ豪雨が発生する原因を知り、予兆に気づくことで、ある程度雨に降られるのを避けられます。
この記事では、ゲリラ豪雨の原因やゲリラ豪雨による災害が発生した場合、どのように対処したらいいのか、気象庁による解説をご紹介します。
ゲリラ豪雨はどんな雨?
そもそもゲリラ豪雨はどのような雨なのでしょうか。
また、同じ「豪雨」でも集中豪雨とゲリラ豪雨がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。
ここからはゲリラ豪雨の特徴と集中豪雨との違いを解説します。
ゲリラ豪雨の特徴
ゲリラ豪雨は大雨の一種で、せまい地域に短時間で降る激しい雨のことです。
学校や職場を出たときは雨が降っていたのに、自宅に着いたら晴れていて、雨のあとがない、なんて経験はありませんか?
予想していない大雨が、まるで奇襲を仕掛けるかのように急に降りかかることから「ゲリラ豪雨」と名付けられました。
いつどこで起こるかわからない、まさに不意打ちという言葉がぴったりですが、ゲリラ豪雨は新聞やテレビなどメディアで使われ始めて一般化した言葉です。
正式な気象用語ではないため、気象庁が天気予報でこの言葉を使うことはありません。
予報では「急な大雨」「局地的大雨」という言葉を使います。
ゲリラ豪雨と集中豪雨の違い
気象庁によると、「集中豪雨」とは同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨です。
積乱雲が同じ場所で次々と発生・発達を繰り返すことにより起き、重大な土砂災害や家屋浸水などの災害を引き起こす、とされています。
一方、「ゲリラ豪雨」は正式な気象用語ではないため、気象庁では「局地的大雨」または「局地的な大雨」と言います。
局地的大雨は急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨で、「局地的な大雨」とも言います。
単独の積乱雲が発達することによって起き、大雨や洪水の注意報・警報が発表される気象状態でなくても、急な強い雨のため河川や水路が短時間に増水するなど、急激な状況変化により重大な事故を引き起こすことがある、と定義されています。
集中豪雨に比べて「雨の降る時間が短い」「雨の降る範囲が狭い」のがゲリラ豪雨の特徴です。
ゲリラ豪雨の原因とは?
では、ゲリラ豪雨はどのように発生するのでしょうか。
その原因を解説しましょう。
ゲリラ豪雨のメカニズム
ゲリラ豪雨をもたらすのは積乱雲です。
積乱雲は高さ十数km、水平方向の広がりは数キロメートルから十数キロメートルで、一つの積乱雲がもたらす現象は、30分から1時間程度と局地的な範囲に限られます。
積乱雲が発生しやすいのは大気が不安定なときです。
大気が不安定とは上空に冷たい空気があり、地上に暖かい空気の層がある状態のこと。
空気は暖かいほど軽くなり、冷たいほど重くなる性質があるため、暖気と寒気が混在すると、暖気は上空へ上がろうとし、寒気は地上に下がろうとします。
この空気の層が入れ替わる際に対流が起こり、積乱雲が発生しやすくなります。
水蒸気の凝結でできた雲粒は雨粒までに成長すると、雨になって地上に降り注ぎます。
そのため、強い日差しによって地上の気温が高くなる夏は特にゲリラ豪雨が発生しやすいのです。
ゲリラ豪雨は予測が難しい
気象庁のレーダーは5分間隔で観測されていますが、ゲリラ豪雨をもたらす積乱雲の発達は非常に早く、寿命はわずか1時間程度と短いです。
あっという間にあらわれたかと思うと、雨を降らせて消えていきます。
さらに、積乱雲の大きさは幅数キロメートルから10キロメートル程度と小さく、雨が降る地域も狭いため、事前に発生場所や時刻を特定することはできません。
「明日はどこかで起きそうだ」という可能性なら予測はできますが、「何時にどこで起こる」というピンポイントでの予報はまだできないのが現状です。
ゲリラ豪雨を避けるには?
天気予報ではいつどこで発生するのかわからないゲリラ豪雨ですが、できれば避けたいですよね。
ピンポイントの予測はできませんが、前触れを知ることで少しでもゲリラ豪雨を避けることができます。
それでは、ゲリラ豪雨に打たれないためには、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
最新の気象情報をチェック
前日や当日に天気予報を見て、大雨警報や注意報が出ていないか確認しましょう。
警報が発令されていなくても天気予報で「大気が不安定」「急な雨に注意」という言葉が聞こえてきたら要注意です。
外出先では天気予報アプリのレーダー画像や、気象庁ホームページの「雨雲の動き」をチェックするのがおすすめです。
強い雨を降らせる雨雲が自分のいるところに近づいてくる様子がわかりますし、今降っている大雨がいつごろ上がりそうかもわかります。
空模様をチェック
朝の天気予報で「大気の状態が不安定」「天気が急変するおそれ」という言葉を耳にしたら、その日は空模様を注意深くチェックしましょう。
大気の状態が不安定とは、積乱雲が発生しやすいということだからです。
「入道雲が見える」「遠くからだんだん近づいてきた」というのは黄色信号。
「黒い雲が迫ってきた」「空が真っ暗になった」というのは赤信号です。
ほかにも「ゴロゴロと雷鳴が聞こえる」「ヒヤッとした冷たい風が吹き出す」というのも天気が急変するサインです。
ピンポイントの予測まではできないため、空の様子をこまめにチェックしましょう。
ゲリラ豪雨の被害と対策
ゲリラ豪雨は総雨量が少なくても数十分で被害が発生することがあります。
どのような被害があり、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
どんな被害があるのか
ゲリラ豪雨による被害は次のようなものがあります。
- 中小規模の川の急な増水で、中州に取り残される
- 道路が冠水し、マンホールの蓋が開いていることに気づけず転落する
- 地下街・地下鉄駅に雨水が流れ込む
- 地下空間に閉じ込められる
なお、ゲリラ豪雨から避難する際には、河川や用水路、急な山の斜面、地下道など、水害の恐れがある危険な場所には近づかないようにしてください。
川の近くにいる場合は、上流で降った雨により川が増水します。
自分の居場所だけではなく、上流の雨の降り方も意識しておく必要があります。
身を守るためにできること
まずは大雨の予報が出ていないか、最新の天気予報をチェックしましょう。
普段から出かける前には天気予報をチェックし、大雨警報や注意報が発令されていないか確認しておくことが大切です。
もしそのような情報を聞いた場合は、外出先でもスマートフォンからこまめに天気予報をチェックして、自分のいる場所や状況によって危険を感じたらすぐ避難できるように備えておきましょう。
ゲリラ豪雨のきざしを感じたら、ただちに丈夫な建物の中に避難してください。
ただし、浸水のリスクがある地下街などは避けましょう。
川の近くでは、雨が降っていなくても、上流で大雨が降れば川の水量が急激に増えることがあります。
川の様子を見に行くなど、川に近づくのは危険です。
川の水がにごったり木の枝が流れてきたりしたら、すぐに川からはなれてください。
「避難指示が出ていないから大丈夫」と思わず、避難に時間がかかる場合や川沿い・地下施設などの危険な場所にいるときは、早めに避難しましょう。
ゲリラ豪雨から身を守るために
ゲリラ豪雨は予測が難しい気象現象ですが、発生する原因と特徴を知ることで、被害を最小限に抑えることができます。
ゲリラ豪雨の特徴は以下の通りです。
- ゲリラ豪雨は積乱雲によって発生し、長くても1時間程度でやむ
- 積乱雲の範囲は小さいのでピンポイント予測はできない
- 最新の気象情報と空模様を確認し、ゲリラ豪雨の予兆を見逃さないことで対策できる
大雨警報・注意報の発表がなくても、短時間でまとまった雨が降る場合、水害のリスクがあります。
自分のいる場所や状況により、危険を感じたらすぐに身の安全を図りましょう。
- 地下、水辺のような危険な場所には近づかない
- 屋外にいるときは安全な建物内に避難
- 今後の雨雲の動きをチェックする
日々の生活の中、空の様子に気をつける時間は取りにくいかもしれませんが、ゲリラ豪雨の可能性があるときは意識的に空模様を確認したいものです。
また、ゲリラ豪雨に遭遇した場合は、速やかに安全な場所に避難しましょう。
どのように対応すればいいのか事前に知っておき、いざという時も落ち着いて行動できるようにしたいですね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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