AI(人工知能)は人間の仕事を奪う?3つの可能性を紹介

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「あらゆる分野において人間を凌ぐほどにハイスペック」というイメージの強いAI(人工知能)。将来、AIに人間の仕事がとられてしまうのではないか、と不安視する声は少なくありません。

 

こうした心配は、決して「SFの見過ぎ」で片づけられるようなものではなく、実際に私が以前やっていた倉庫内作業員や包装機・充填機のオペレーターといった仕事は、すでにAIやロボット達に取って代わられているか、もしくは今後そうなる可能性が高いようです。

 

引用:YouTube

また、オックスフォード大と野村総研の共同研究により、今後10~20年以内におよそ49%もの仕事が人工知能のものとなると推測されています。

 

ただし、この研究結果はあくまで予測の一つに過ぎません。

 

『人類の歴史とAIの未来』(2019年、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者、バイロン・リース氏は人々の仕事とAIの未来について、

 

  1. ロボット・AIが90%以上の仕事を奪う可能性
  2. ロボット・AIによって何割かの仕事が失われる可能性
  3. ロボット・AIにより一定数の仕事は奪われるが、同じ数だけ新たな仕事が生まれ、結果的に社会のどの階層においても雇用は失われない可能性

 

以上3通りのみがあり得るとしています。

 

本記事では、

 

  • AI・ロボットに奪われてしまうのはどんな仕事か
  • AIの普及によって生まれてくる仕事
  • リース氏の示した3つの可能性は具体的にどういうことなのか

 

についてご紹介していきます!

 

AI・ロボットに奪われてしまうのはどんな仕事?

AIが、その強みを活かし人間よりも速く正確にできるような仕事は、将来的にAIのものとなる可能性が高いと考えられています。

 

決まったルールに従って行う業務

冒頭でも触れた

  • 倉庫内作業員
  • マシンオペレーター

に加え、

  • スーパー・コンビニの店員(レジ係)
  • チケットもぎり係
  • 一般事務員

といった、業務内容が比較的シンプルな仕事は今後AIやロボットのものとなっていくでしょう。

 

特にレジ係やカフェスタッフ、ホテルのフロントなど、既にAIが活躍している現場も出てきています。

  • ロボットがコーヒーやフラッペを入れてくれる、渋谷「変なカフェ」

変なカフェ サイト

 

  • ロボットがフロント業務を行う、銀座 他「変なホテル」

変なホテル 公式サイト

 

また今年開業した、高輪ゲートウェイ駅の無人コンビニも話題を呼びました。この記事を読んでいる方の中には、もう利用したことがある人もいるかもしれません。

 

緻密・精確さが求められる仕事

精確性が求められる、

  • 時計の組み立て・調整工、時計修理人
  • 切削加工オペレーター
  • 金属・木材の腐食加工・彫刻業者

 

などの職業は、今後AIやロボットのものとなっていく可能性が高いといわれています。

 

統計・分析を行う仕事

統計や分析はAIの得意分野です。

  • 不動産登記の審査・調査員
  • 金融機関の信用評価員
  • ローンの融資担当者
  • 保険の鑑定・清算・調査・査定員

 

などの職業は、将来人間の仕事ではなくなるかもしれません。

 

AIの普及により生まれてくる仕事

なくなるかもしれない職業ばかり見ているとAIが脅威に感じられてきますが、私たちが漠然とイメージしているよりもAIには苦手なことや課題が多く、今後はAIをサポートしたりAIから得られた情報を活用する仕事が生まれてくると考えられています。

 

その一部をご紹介します。

 

AIの教師

AIは、学習することによってはじめて賢くなります。したがって、AIに技術や動作を教える人員が必要となります。

以前の記事で、AIの学習の仕方について紹介しています。

AIの学習法を解説!AIに詰め込み教育は合わなかった?

 

AI事業開発責任者

AIサービスを売り込むのは人の仕事になります。また、サービスやコスト面などの管理に関しても人間の責任者が必要となります。

 

データ探偵

2000年代の児童書シリーズにありそうな名前のこの職業は、AIが統計・分析したものを活かすための工夫をしてアイディアを出す仕事です。

 

フィットネス・コミットメント・カウンセラー

人の体調を栄養や筋肉量から管理しサポートするのがAIなら、メンタル面のサポートは人の仕事となります。AIの管理データに基づき、精神面も見てアドバイスをしていくのがこの仕事です。

 

人間と機械の協働責任者

計算のスピードや正確性、データの管理は機械の方が得意ですが、人との対話や感情理解、発想力は人間の強みです。

双方の長所をいかにうまく組み合わせるか考えることが、この職の仕事内容となります。

 

リース氏の示す「3つの可能性」

ここまで、AIにとって代わられてしまう可能性が高い仕事や、AIの普及により生まれてくる仕事についてご紹介してきましたが、人間全体が生活の糧を得るのに十分な数の仕事は残るのでしょうか。

 

世界中の様々な立場の人々がそれぞれ予測していますが、賃金の変化や労働人口の増減、今後開発される技術やそれにかかるコスト、社会がAIやロボットをどのくらいの期間をかけてどの程度受け入れるのかなど分からないことが多すぎて、今後こうなると断言することは不可能です。

 

リース氏は、具体的に何がどうなるかは分からないものの、ありうる未来は

 

  1. ロボット・AIが90%以上の仕事を奪う可能性
  2. ロボット・AIによって何割かの仕事が失われ、失業率20%程度の状態が永く続く可能性
  3. ロボット・AIにより一定数の仕事は奪われるが、同じ数だけ新たな仕事が生まれ、結果的に社会のどの階層においても雇用は失われない可能性

のいずれかになるだろうとしています。

 

この「3つの可能性」について、もう少し詳しく紹介していきたいと思います。

ロボット・AIがほぼ全ての人間の仕事を奪う可能性

人工知能があらゆる面において人間を超え、人間の上位互換のような存在となる可能性です。

 

この場合、単純作業や計算・統計を扱う職業だけでなく芸術系の仕事もAIのものとなり、人間の職は「人間の手で作られたもの」を望む客のためのアーティストや職人を一部残すのみとなります。

 

この可能性を考えるにあたっては、土台に「人間は機械である」という思考があることが前提となります。

 

さらに、「人間が機械であるということは『機械の人間』を造ることも可能であり、『機械の人間』は創造性を含む全ての知能を持っている」ことも必要となってきます。

 

この可能性が現実のものとなるかについては、

  • AIが現在抱えている課題が将来どれだけ解決されるか
  • 「人間より仕事のできるロボット」の生産・管理にかかるコストが人件費を下回るか

が鍵となってくるでしょう。

 

ロボット・AIによって何割かの仕事が失われる可能性

低いスキルでできるものを中心に一定数の仕事がAI・ロボット達のものとなり、最悪のケースで失業率が20%程度の時代が長く続いていく可能性です。(アメリカにおける計算。大恐慌時代のアメリカの失業率は23%程度。日本史上最悪の完全失業率はITバブル崩壊後、2002年の5.4%)

 

これに関連し、特に有名なオックスフォード大のフレイ教授らの発表の中の「仕事の半分がなくなる」という部分について、実は勘違いが広まってしまったものであるということが説明されています。

 

オックスフォード大のフレイ博士とオズボーン博士が2013年に発表した論文の内容は、「47%の職業でいくつかの仕事が自動化される(例えば、飲食店で料理や食器を運ぶのはロボットの仕事となるが店内の清掃や細かい注文を聞くことは人間がやり続けるなど)」ということであり、職業自体がなくなってしまうとは書いていませんでした。

 

この論文に関連してOECD(経済協力開発機構)が公表した報告書では、コンピュータ化によって失われる可能性のある職業は9%であると結論づけられています。この数字は、経済においてはさほど珍しいレベルの変動ではないとされています。

 

たとえ9%でも職業が失われたら困りますが、歴史上機械化によって雇用の総数が減少した例は非常に少なく、その稀有な例においても新しい雇用が一つ以上必ず生まれており、またそれは機械化によって失われた仕事より賃金の高い仕事である場合もあるようです。

 

スキルの問題についても、機械が一つのことしかできないのに対して人間は無限の汎用性と柔軟性を持っています。

 

また倫理的な側面からも、機械でもできるはずの仕事を人間にやらせることはその人を非人間化することではないか、という指摘もあります。

 

ロボット・AIが普及しても雇用がほぼ失われない可能性

機械が人間の仕事を奪うことはなく、総じて私たちは完全雇用の状態を保てる、という可能性です。

 

AIが普及しても雇用が減らない、ということについては、女性の社会進出が進んでも失業率が急激に上昇することはなかったことを考えればイメージしやすいかと思います。

 

具体的には、技術の進歩・普及によってお金が節約できるようになった場合、多くの人や企業は全額は貯め込まずにある程度のお金をQOL(生活の質)の向上や店舗数の追加、新商品の開発などに使うと考えられるため、それに伴って仕事の数も増えていくことになります。

 

仮にAIやロボットが全ての仕事を担うようになり、お金を人類に分配するようになったとしても、私たちは生活の中に改善可能な点を見出してそのための仕事を新たに創るのではないか、とリース氏は書いています。

 

まとめ

目覚ましいスピードで進化し続けるAIは、実際よりずっとハイスペックに思われがちです。

 

「半数の職業における仕事の一部が自動化される」という発表が間違って広まってしまったことにも、人々のAIに対するそうしたイメージが反映されているように思えます。

 

しかしこれまでの記事でも今回の記事でも幾度となく触れてきたように、AIにはまだまだできないことも致命的なレベルの苦手も多く、また人間は自分たちで考えるよりはるかに柔軟性・汎用性に優れています。

 

AIは競争相手や脅威となりうるようなものではなく、人を人たらしめ、文明を発展させることに貢献してくれるものではないかと私は考えます。

 

長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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