友達が「NFT投資を始めた」と言っていたけど、NFTって何なの?
最近よく目にするようになった「NFT」の3文字。
世間に注目されたきっかけは、Twitter創業者が自身初のツイートのNFTを出品し、数億円で落札されたニュースです。
たったひとつのツイートで、そんな値段がつくなんて想像を超える出来事ですよね。
しかし、このような情報を目の当たりにしても、NFTが何なのかよくわかっていない人は多いのではないでしょうか。
この記事では、「NFTとは何か」「NFTの特徴と問題点」についてわかりやすく解説していきます。
今後NFTについて質問されたら、あなたはきっとドヤ顔で説明できるようになっていますよ♪
では、一緒に見ていきましょう!
NFTとは「世界でたったひとつのトークン」
NFTとは「Non-FungibleToken」の略で、直訳すると「非代替性トークン」です。
トークンって?
どこかで聞いたことがある言葉だけど、よくわからないなあ。
そんな疑問を持ったあなたのために、まずはトークンについて説明していきますね。
トークンって何?
「トークン(token)」とは、もともと「ある特定のシステムの中で、何かの代わりとして使うもの」です。
たとえば、次に挙げるものは「トークン」です。
- 商品券(商品を買うときに、現金の代わりに使うチケット)
- 電子マネー(suicaやpasmoなど。現金をチャージすることで紙幣や硬貨の代わりに使える)
また、インターネットバンキングで「トークン」という言葉を目にしたことはありませんか?
この場合は「身分証明書などを見せる代わりに本人認証を行う装置」を指します。
あなたはネットショッピングをするとき、クレジットカード番号を入力しますよね。
番号はシステム上で別の文字列(=トークン)に置き換えられて、決済されます。
支払先にはクレジットカード番号が伝わらないので、情報がもれるリスクを抑えられるのです。
このように、信用できるシステムを設計して、お金や身分証明書の代わりとしてトークンを使っています。
「トークン」という言葉そのものは知らなくても、すでに実生活で利用していると考えると、とても身近な技術ですね。
なるほど!
suicaの定期券にチャージしてコンビニ決済しているけど、これも「トークン」のひとつなんだね。
意外と身近なものだったんだな。
NFTのトークン
デジタルデータを扱うシステムでも「トークン」が使われています。
たとえば、暗号資産(仮想通貨)は、ブロックチェーンという技術を使って発行した独自のコイン(=トークン)を取引します。
「トークン」によって、所有者と保有量の証明ができるのです。
ブロックチェーンとは?
ネットワーク上の取引記録を、時系列にブロック(かたまり)ごとに格納し、チェーンのようにつながっているもの。
データの改ざんや不正がとても難しいため、安全にデータを記録できる。
「分散型台帳技術」ともいう。
暗号資産(仮想通貨)と同じように、NFTもブロックチェーン技術を利用しています。
たとえば、宝石や美術品の鑑定書は「紙」ですよね。
NFTは「世界にひとつしかないデータであると証明する鑑定書」を、「紙」でなく「データ」で発行したトークンです。
「非代替性」ってどういう意味?
ここまでで「トークン」について理解が深まったでしょうか?
それでは「非代替性=何ものにも代えられない」とは、どういうことかを説明していきますね。
まずは、ざっくりと「代替できるもの」と「代替できないもの」の例を、表にしてみました♪
代替できるものの例 | ・市販品 ・現金 ・SNS上の画像(フリー素材イラスト含む) ・商品券 ・暗号資産(仮想通貨) ・ポイントサービス ・スタンプカード |
代替できないもの(非代替)の例 | ・直筆サイン入りのもの(本、Tシャツなど) ・有名な作家の原稿 ・有名な画家の原画 |
2つを比べると、何となくお分かりいただけるでしょうか。
金券や暗号資産(仮想通貨)などのトークンは、同じ額面なら価値が等しくなるように設計されています。
- 図書券・図書カード 500円 → 500円の本
- ポイント 1,000ポイント → 1,000円の商品
図書券が使える店で、額面が同じ図書券のどれを使っても同額の本が買えます。
同じシステム上にある同数のポイントを使えば、同じ金額の商品が手に入ります。
つまり、どのトークンも同じ価値を持っていて、同じ使い方ができるのです。
これが「代替性」です。
では、「非代替性」とはどういうことでしょうか?
先ほどの表にあるように、有名人直筆サイン入りTシャツやオリジナル絵画も、世界にたったひとつのものです。
同じ有名人の直筆サイン入りTシャツでも、1枚ごとに価値は異なり、同じものとしては扱えません。
アイドルの直筆サインも1つ1つ価値が違うから「非代替」に含まれるんだね!
データも同じく、世界にたったひとつしかないデータがあります。
NFTがひもづいたデータは、どれも同じものは存在せず、価値もさまざま。
ひとつひとつのトークンの持つ価値が異なるので、「非代替性トークン(Non-Fungible Token)」と呼ばれています。
NFTがひもづくデータは、たとえば次のようなものです。
NFTがひもづくデータの例
- Twitter創業者の初ツイート
- 坂本龍一「戦場のメリークリスマス」のメロディを分割した音
- 鉄腕アトムのモザイクアート
このような世界にひとつしかないデータの「所有証明書」「偽造できない鑑定書」として発行されるのが、NFTなのです。
NFTの特徴とは
NFTが、世界にひとつしかないデータの「所有証明書」「偽造できない鑑定書」だと分かったよ。
でも、なぜ注目されているの?
注目されるNFTの特徴として、次の3つがあげられます。
- 希少性
- 明確性
- 革新性
では、ひとつずつ説明していきます。
希少性
人間は、希少性が高いものに興味を持つ傾向があります。
希少とは「珍しい、めったにない」こと。
珍しいものをたくさんの人が欲しがると、高い価値がつきますよね。
たとえば、販売後すぐに完売したSKE48やももクロなど、アイドルのNFTトレーディングカード。
発行数以上に欲しい人がいるので、価値が上がりました。
同じように、NFTデータには希少価値があると考えられ、人々が求めるようになったのです。
明確性
これまで、デジタルアートやゲームに使うアイテムなどのデータは、所有者を明確にするのが難しいのが課題でした。
たとえば、巧妙にコピーされたりすると、どれが本物か区別がつきにくくなることも。
しかし、ブロックチェーン技術を利用し、本物である証明と現在の所有者の確認ができるようになりました。
鑑定書つきの美術品を持つように本物のデータを所有できるので、高いお金を出してでも買い求める人が増えたのです。
革新性
NFTはデジタルデータなので、これまでにない2つの革新性をそなえています。
それぞれ見ていきましょう。
プログラムが付与できる
NFTは「デジタル証明書・鑑定書」なので、発行者がプログラムを付け加えることができます。
たとえば、「購入されたデータが転売されても、収益の一部が発行者自身に自動で支払われるプログラム」をしておくことが可能です。
最初は安い値段で発行者から別の人に権利が移ったとしても、取引の度に売買金額の一部が発行者に入ります。
昔の有名画家が貧乏なまま一生を終えた例と比べると、NFTの発行者は恵まれていますね。
売買が簡単にできる
NFTは、暗号資産(仮想通貨)と同じブロックチェーン技術を使っているため、所有権の移転が簡単にできます。
暗号資産の取引所と同じ環境があれば、NFTも取引できるのです。
希少価値のあるデータの売買が簡単だから、NFTは投資家にも注目されているんだね。
友達が始めた「NFT投資」って「NFTがついたデータを売買して、利益を得る」ことだったんだ!
NFTの問題点とは
革新的なコンテンツとして注目されているNFTですが、一方で問題もかかえています。
- 手数料が不安定
- 法整備面の不安
- 本物の判断がつきにくい
それぞれ見ていきましょう。
手数料が不安定
ひとつめは、NFTの売買にかかる手数料が不安定なこと。
NFTの取引には、おもに暗号資産(仮想通貨)が使われます。
通常、暗号資産(仮想通貨)の取引には「ガス代」と呼ばれる手数料がかかります。
銀行の取引手数料みたいなものです。
その手数料は取引量が増えるほど高くなり、減れば安くなるというように、需要に大きく左右されます。
NFTを売って利益を得ようとしたときに、手数料が高くなっていることも十分にあり得るのです。
本物の判断がつきにくい
ふたつめは、本物かどうかの判断がつきにくいこと。
あるデータの製作者がNFTを発行する前に、第三者が不当にコピーを手に入れ、NFTを発行して出品することもあります。
それを購入して転売した後に違法商品とわかった場合、責任の所在が問題になります。
購入する前にインターネット等で情報を追って、本物かどうかをしっかりチェックする必要があるのです。
法整備面の不安
NFTは2017年にスタートしたばかりで、法整備もまだまだです(2022年時点)。
そのため、ニセモノのNFTが発行されて売買されても、法律違反を問えないリスクがあります。
世の中には悪いことを考える人がいるもので、人をだまして利益を得る目的で取引される可能性もあります。
気をつけていても、だまされてしまう人はいるのです。
NFTを始めるときは、リスクにも注意しないといけないね。
ちゃんと調べて、納得して始めたいな。
初心者でも簡単にわかるNFTのまとめ
NFTの特徴と問題点をもう一度振り返りましょう。
NFTとは「代替できるものがない、世界でただひとつのトークン」のことです。
- 特徴
- 希少価値が高いものもある
- 所有者が明確にできる
- ブロックチェーンという革新的な技術を使っている
- 問題点
- 需要によって手数料が変動する
- 本物かどうかを確かめるために情報を追う必要がある
- 法律違反を問えないリスクがある
NFTについて、ご理解いただけたでしょうか。
注目の最新技術はさらに普及していくのか、今後の動向が気になりますね。
ぜひ、ニュースなどでチェックしてみてくださいね♪
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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