「猫吸い」って……どういうことですか?
猫の身体に顔を押しつけて、やわらかい感触や匂いを楽しむ方法です。
え?!何それ?……気持ち悪い。
猫の身体はいい匂いがするんですよ。
もふもふの柔らかな毛に顔をうずめて、「ぷは〜っ幸せ!」と最高な気分になる飼い主さんは少なくありません。
「一度吸ったらやめられない」と、ネットやSNSで評判になっています。
この記事は「猫吸い」の秘密に迫り、経験はないものの「ちょっと興味がある方」が一歩踏み出すためのお手伝いをします。
状況によって病気への感染やケガをするリスクもあるので、後半でご紹介する安全に楽しむための注意ポイントは要チェックですよ!
猫吸いなんて気持ち悪い……という方も、ぜひ最後までお読みいただいて猫好きな人々の気持ちをご理解いただけたら嬉しいです。
- 猫吸いをしたくなる理由とは
- 猫吸いには常習性がある?
- どうして猫はいい匂いがするの?
- 猫吸いをするときに注意すること
猫吸いは気持ち悪いなんて言わないで!
「猫吸い」とは、歌手の坂本美雨さんが生み出した言葉です。
愛猫家の両親のもとで、美雨さんは幼い頃から猫と一緒に育ったそうです。
テレビ番組で「猫が好きすぎて猫を吸ってしまう」と発言したり、SNSで「猫はお吸いものです」とつぶやいたりしたことから、多くの人々の共感を呼びました。
はじめに、猫吸いをしたくなる理由と、どのような効果があるのかを探ってみます。
猫吸いをしたくなる理由
あなたは「お日さまの匂い」を感じたくて、乾いた洗濯物に顔をうずめることはありませんか?
赤ちゃんの柔らかい感触や甘い匂いを感じて、思わず頬ずりすることもあるでしょう。
猫吸いもこれらのケースと似たような心理から起こる行動だと考えてみてください。
そういえば!子供のころ、ぬいぐるみの匂いを嗅ぐのが好きでした。
その匂いで安心できたんです。
気持ちが落ち着く匂いは、誰にでもありますよね。
猫吸いの効果
では、猫吸いにはどんな効果があるのでしょうか?
いい匂いが幸せ気分にしてくれる
猫を飼っている方に「どんな匂いがするの?」と聞くと、さまざまな答えが返ってきます。
お日さまの匂い
パンケーキのような甘い匂い
フローラルないい香り
個人差はありますが、良い香りに分類されるものが多いです。
お花やフルーツ、あるいは美味しそうなお料理の良い香りを感じた瞬間、「ああ〜いい匂い!」と幸せな気分になりますよね。
猫と触れ合うと気持ちが落ち着く
疲れているときや不安になったとき、猫がそばにいると心が安らぐという声がよく聞かれます。
猫と触れ合っていると、猫にも人にも心身をリラックスさせる愛情ホルモンが分泌されます。
このホルモンの成分「オキシトシン」に、気持ちを落ち着かせる作用があるのです。
喉を鳴らすときのゴロゴロ音にも、人へのリラックス効果が認められています。
「在宅ワークだと近くに飼い猫がいるので、落ち着いて仕事ができる」という方も増えています。
猫吸いには常習性がある?
いい匂いと一緒に良い記憶が残るので、猫を見たら匂いを想像して吸い寄せられてしまいます。
リラックスした気分になる、気持ちが落ち着くなどの快感が得られる猫吸いは、「やめられない」「とまらない」と言われます。
「合法ドニャック」という名前さえ生まれたくらいです。
猫吸いの人気部位はどこ?
猫の身体は部位によって微妙に匂いが異なります。
猫吸いファンに人気があるのは、身体のどこなのか探ってみました。
初心者におすすめの部位
<背中>
猫が後ろを向いているため顔が攻撃されにくく、比較的安全だと言われます。
抱き抱えて移動させるときにも、不慣れな方はこの向きが安全です。
ハマってしまった上級者向けの部位
<おなか>
最もファンが多いのが、柔らかい毛に覆われたおなかです。
「もふもふに顔をうずめたい!」と猫吸いがやめられなくなります。
<後頭部>
猫は人や物に匂いをつけるため、頭を擦り付けることが多いです。
汗と他のものが混ざった複雑な匂いに人気があります。
<肉球>
肉球の匂いが「たまらなく好き」というコアなファンも多いです。
汗と香ばしさが混ざり合ったような匂いがクセになるといいます。
これらの部位は、猫の機嫌が悪いと噛みつかれたり引っ掻かれたりすることがあるので、上級者向けと言えるでしょう。
猫の匂いは複雑で、なかなか奥が深いですね。
猫吸いで感じられる匂いの秘密
猫の身体は、どんな匂いがするのでしょうか。
猫はもともと「無臭」の動物
匂いの元となるのは「汗」ですが、猫が汗をかくのは主に肉球のみなので、身体から発する匂いは少ない動物です。
もともと待ち伏せして狩りをする習性があったため、居場所を悟られないよう身体についた匂いも消す必要がありました。
丁寧に全身を舐めて毛づくろいをする猫の行動は、こうして身についたものです。
唾液も無臭で、消臭効果もあると言われています。
猫のいい匂いの正体は?
では、なぜ猫の身体に匂いが感じられるのでしょうか?
お日さまの匂い
猫が日向ぼっこをすると、「お日さまの匂い」がすると言われています。
猫の身体から分泌された皮脂が、太陽光に照らされて分解すると発生する匂いです。
洗濯物の匂いと同じですね。
パンケーキのような匂い
ミルクやバターの匂いは、牛の身体が持つ動物性脂質やタンパク質から生み出されます。
猫の身体にも牛と同じような成分があるので、同様の匂いがすると考えられています。
フローラルないい香り
飼い主が使っている化粧品や猫が好きなタオルに付いた柔軟剤の匂いが、体毛にうつっている可能性があります。
イヤな匂いがする時は注意
注意が必要なのは、無臭のはずの猫にイヤな匂いを感じたときです。
次にあげたような病気が隠れている可能性もあるので、動物病院で相談することをおすすめします。
アンモニア臭がする:腎臓系の病気
耳が臭い:外耳炎など耳の病気
口が臭い:歯周病や口内炎など
口の中の病気で臭くなった唾液で毛づくろいをすると、全身が臭くなります。
肛門の近くでは、尿や便の匂いが残っていることもあるので、時間が経ってから改めて確認してみてください。
猫吸いをするときに注意すること
飼い主さんにとっては至福のひとときである「猫吸い」ですが、病気への感染や思わぬケガをする危険性もあります。
安心して猫と触れ合うためのポイントをご紹介しましょう。
猫が健康で清潔であること
病気にかかっていない、ノミやダニがいないなど、猫の健康状態に問題がないことが第一条件です。
生まれてからずっと室内飼いであれば心配ありませんが、外飼いの場合は感染症のリスクが高いので、猫吸いをするのはやめておきましょう。
猫がリラックスしていること
猫の機嫌がよく、リラックスしているときだけにしましょう。
もともと抱っこされたり撫でられたりすることを嫌がる猫には、猫吸いはしないでください。
猫の気持ちへの配慮が大切
しつこい接触は、猫にとって大きなストレスとなります。
噛まれたり引っ掻かれたりすることもあるので、注意が必要です。
少しでも嫌がるそぶりが見えたら、すぐにやめましょう!
猫吸いはやめられない!気持ち悪いって言われてもいい!
猫吸いについてお伝えしてきましたが、あなたはやっぱり猫吸いが気持ち悪いと思いますか?
人によって物事の感じ方はさまざまなので、それは致し方ないことですね。
飼い主にとって、猫は自分の子供と同じようにかけがえのない存在です。
猫吸いをするのは、愛する我が子を思わず抱きしめるのと同じ行動なのだと理解してあげてくださいね。
猫吸いを試してみたい方は、猫にとって嬉しいことなのか嫌なことなのかを見極めて接することが重要です。
愛情が重たくならないよう、猫の気持ちを尊重してあげましょう。
- 猫はもともと無臭なのに、なぜかいい匂いがする不思議な動物
- 猫のいい匂いで心が癒され、気持ちが落ち着く
- 猫にイヤな匂いを感じたら動物病院へ
- 猫吸いをするときは感染症やケガを防ぐため、猫の健康状態や気分に気をつけよう
- 猫にストレスがかからないように配慮してあげよう
かわいい猫ちゃんと優しい飼い主さんが末長く幸せに暮らせますように!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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