春になると、生のたけのこがスーパーマーケットの店頭に並びますね。
たけのこは、天ぷらやたけのこご飯、わかめと煮ても美味しい食材です。
ご近所や知り合いからおすそ分けをいただくこともあると思います。
皮付きのたけのこを貰ったけど、どうやって食べたらいいの?
たけのこのあのえぐみが苦手……
もしかして体に悪いんじゃないの?
確かにたけのこの独特のえぐみは苦手な人もいるでしょうね。
でも、あく抜きをきちんとできれば美味しく食べられますよ。
たけのこのえぐみの正体は、ホモゲジンチジン酸とシュウ酸です。
ホモゲジンチジン酸は体には害がありませんが、シュウ酸はほうれん草にも含まれる成分で、結石の原因にもなる成分です。
あく抜きのポイントがわかれば美味しく食べられますね。
この記事でわかること
- たけのこのえぐみの正体
- あく抜きのポイント
- あく抜きに失敗した場合の対処方法
たけのこのえぐみの正体と、あく抜きのポイントは?
えぐみが残ったたけのこを食べて、舌やのどがいがらっぽくなったり気分が悪くなった経験はありませんか?
えぐみをしっかり取り除かないと仮性アレルギーを起こす成分や結石の原因になる成分が含まれているので、体にはよくありません。
たけのこのえぐみの正体とあく抜きのポイントをご紹介します。
たけのこのえぐみの正体は?体に悪いの?
たけのこのえぐみの正体は、ホモゲジンチジン酸とシュウ酸です。
スーパーマーケットなどで売っている水煮のたけのこに、白い粉のようなものがついています。
この白い粉はチロシンというアミノ酸の一種です。
- ホモゲジンチジン酸…たけのこに含まれるチロシンが酵素によって変化したもの
- チロシン…脳の機能を高める働きがある成分なので、体に害はない
- シュウ酸…ほうれん草に含まれる成分で、結石の原因になる成分
ホモゲジンチジン酸もシュウ酸も水溶性のため、重曹や米ぬかを使用してゆでると取り除くことができます。
- ホモゲジンチジン酸とシュウ酸以外にも仮性アレルギーを起こす成分が含まれている
- 青酸配糖体という植物性の毒も持っている
どちらも熱に弱いという特性があるのでゆでてえぐみを取ってから調理するのがおすすめです。
あく抜きを失敗しないためのポイントは2つ
たけのこのあく抜きを失敗しないためのポイントは、以下のように2つあります。
あく抜きを失敗しないためのポイント
- たけのこは早めにゆでる
- たけのこのあく抜きには米ぬかを使用する
たけのこは収穫してから時間がたつと、身を守るためにあくの成分が増えていく性質があります。
その為、あく抜きをしてもえぐみが残ることがあるのです。
たけのこを買ってきたり、貰ったりした場合は早目にゆでてあく抜きをしてしまいましょう。
あく抜きには米ぬかを使用し、米ぬかがない場合は重曹や生米、米のとぎ汁で代用できます。
用意するもの
- 大き目の鍋
- 米ぬか一握り
- 鷹の爪1本
- 重曹の場合……食用の重曹を水1リットルに対して重曹小さじ1杯用意
- 生米の場合……たけのこ500グラムに対して生米大さじ3杯用意
たけのこのあく抜き方法
皮はたけのこのうまみを逃がさないために、2~3枚だけむきましょう。
根元を1㎝ほど切り落とし、ボツボツとした部分をそぎ落とします。
皮付きのままゆでるのは、しっかりあくを抜くためでもあります。
吹きこぼれないように注意しましょう。
ゆでている間に白い泡のようなあく浮いてきたら丁寧にすくいましょう。
火を止めた後もゆで汁につけておくのは、あくがさらに抜けるからです。
しっかり冷ますことで、ゆで汁に流れ出たうまみをたけのこに戻すことができます。
たけのこを1時間もゆでるなんて大変!
完全に冷めるまでどれくらい待つの?
米ぬかであく抜きができるなんて驚き
米ぬかでゆでると、うま味が引き出されてやわらかくなるんですよ。
重曹や生米だけでなく、米のとぎ汁を使うのもおすすめです。
ゆで汁には時間は8時間以上つけておくとしっかりあく抜きできます。
えぐみが残ってしまった原因と対処方法はあるの?
たけのこをしっかりゆでてあく抜きをしたのに、えぐみが残ってしまう場合がありますが原因はなんでしょうか?
えぐみが残ってしまった原因と対処方法をご紹介します。
えぐみが残ってしまった原因は3つ
えぐみが残ってしまった原因は以下のように3つあります。
- たけのこを収穫してから時間がたっていた
- たけのこをゆでる時間が短かった
- たけのこをゆで汁につける時間が短かった
たけのこを収穫してから時間がたっていた
たけのこは土から掘り起こされ、刈り取られた時からあくの成分が増えていく性質あるからです。
たけのこには身を守るために時間がたつとあくが増えていき、収穫した翌日には2倍になってしまいます。
収穫してから日数がたっているとえぐみが増えてしまい、あく抜きをしてもえぐみが残ってしまったと考えられます。
たけのこをゆでる時間が短かった
たけのこをあく抜きする場合は1時間ほど弱火でゆでます。
しっかりあく抜きをするためには固い根元に竹串が通るくらいまでゆでなくてはいけません。
ゆでる時間が短いとあくがしっかり抜けない原因になります。
- たけのこの内部まで火を通してえぐみの成分を作らないように止めるため
- シュウ酸を作られないようにするだけでなく、アミノ酸のチロシンがホモゲンチジン酸に変わるのを防ぐため
- たけのこの根元までやわらかくゆでることによって、あくが抜けやすくなる
たけのこをゆで汁につける時間が短かった
たけのこのあくの成分は水溶性で、特にアルカリ性の水によく溶けます。
米ぬかや重曹、米のとぎ汁はアルカリ性なのでゆで汁につけてしっかりあくを抜きましょう。
ゆで汁につけるのは冷ますためではなく、あくを抜くためなので8時間以上つけるのがおすすめです。
えぐみの残ったたけのこの調理方法をご紹介
えぐみが残ってしまったら、もう一度米ぬかをつかってゆでなおす方法があります。
ゆでなおしてもえぐみが残ってしまった場合は、あきらめてそのまま調理して食べるしかありません。
えぐみを感じにくくする調理方法は、以下のとおりです。
- 天ぷらにする
- カルシウムの多い食材と調理する
- 味の濃い料理に使う
1.天ぷらにする
天ぷらにすると、たけのこの苦みやえぐみが油でコーティングされるので苦みもえぐみも気にならなくなります。
山菜の天ぷらが苦みが気にならず美味しく食べられるのも、油がコーティングしてくれるためです。
えぐいたけのこも、天ぷらにしてしまえば美味しくたべられますね。
2.カルシウムの多い食材と調理する
えぐみの成分のシュウ酸は、カルシウムと結合すると水に溶けないシュウ酸カルシウムになります。
水に溶けないのは、唾液にも溶けないのでえぐみを感じにくくなるのです。
カルシウムの多いわかめと、たけのこを一緒に煮る若竹煮は苦みやえぐみを抑えてくれる、理にかなっている料理というわけですね。
カルシウムの多い牛乳でグラタンやクリーム煮も美味しく食べられる組み合わせといえます。
3.味の濃い料理に使う
えぐいたけのこの最終手段の調理方法は、チンジャオロースーや麻婆春雨などの味の濃い料理にすることです。
味の濃い料理に入れてしまえば、たけのこのえぐみを気にすることなく美味しくたべられますね。
調理したあとにえぐみがのこっていたらどうする?
調理前にえぐみが残っていることがわかっていればあく抜きのやり直しやえぐみの気にならない料理に使うなどして使うことができます。
えぐみが残っていたことに気が付いたのが煮物やたけのこご飯になってしまった後だった、という経験はありませんか?
せっかく料理したのに、捨てるなんてもったいないけれど、えぐいたけのこを食べ続けるのは辛いですよね。
えぐみが残ったたけのこ料理のアレンジ方法
たけのこの煮物を天ぷらにアレンジ
煮物にしてしまったたけのこは、思い切って天ぷらにしてしまうといいですよ。
すでに味がついているので、天つゆがなくてもたべられます。
たけのこご飯をライスコロッケにアレンジ
そのまま丸めて揚げても美味しくありませんから、バターで炒めたみじん切りの玉ねぎとチーズを混ぜてライスコロッケにすると美味しく食べられますよ。
チーズはプロセスチーズでも粉チーズでもお好みで変えてもいいですね。
一口サイズに丸めて、小麦粉、卵、パン粉をつけて油で揚げると完成です。
チーズが入っているので、えぐみはあまり気にならなくなりますよ。
たけのこのえぐみの正体とは?体に悪いの?まとめ
たけのこのえぐみの正体と体に悪いのかをご紹介しました。
- えぐみの正体は、シュウ酸とホモゲンチジン酸
- ホモゲンチジン酸は脳の活性化に効果がある
- シュウ酸は結石の原因になる
- 仮性アレルギーを起こす成分や青酸配糖体という植物性の毒がある
あく抜きをすることでえぐみを取り除くことができます。
あく抜きは手間も時間もかかりますが、生のたけのこは春だけの旬の食材です。
季節の旬の味を楽しんではいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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