最近ファッション業界やSNSで「サステナブル」という言葉を耳にする機会が増えましたよね。
今まであまり馴染みのない言葉なので、実はよく意味を知らない……という方もいるのではないでしょうか?
サステナブルは、2015年の国連サミットで採択されたSDGS(持続可能な開発目標)の取り組みとしてあらゆる分野で使われるようになりました。
ファッション業界においても、地球環境や労働者の人権を守るための取り組みとして、サステナブルファッションが注目されています。
実はサステナブルファッションは、地球環境や生産者だけでなく、消費者にとってもメリットがあります。
ぜひ最後までお読みくださいね。
サステナブルファッションが注目される理由と背景
そもそも、サステナブルファッションとはどのようなファッションのことをいうのでしょうか。
サステナブルファッションとは?
サステナブルとは、sustain(持続する)とable(できる)からなる言葉で、「持続可能な」という意味です。
2015年国連サミットで採択されたSDGS(持続可能な開発目標)の取り組みの一環として、あらゆるジャンルで注目されるようになりました。
「サステナブルファッション」とは衣服の生産から廃棄において社会や自然環境に配慮した取り組みのことをいいます。
サステナブルファッションでは、次の2つの取り組みがなされています。
- 衣服の生産から廃棄の過程で自然環境に負荷をかけない取り組み
- 労働環境の改善の取り組み
次世代にも豊かな地球を残し平和な社会を築くために、私たちの身近なファッションを通して持続可能な取り組みをする必要があります。
まずは、サステナブルファッションが注目されるようになった背景からみていきましょう。
サステナブルファッションが注目される理由と背景
サステナブルファッションが注目される背景は2つです。
- 地球環境に負担をかけている
- 労働環境に悪影響を及ぼしている
まず、ファッション産業が環境にどのような影響を与えているかについて解説します。
ファッション産業は、衣服の原材料になる生地の栽培・製造・輸送、そして使用後の廃棄まで環境に与える影響が大きいといわれています。
衣服を作る工程の中では、以下のような環境負荷がかかります。
- 天然繊維の栽培のための化学肥料による土壌汚染
- 工場でのCO2の排出
- 染色をするための大量の水
- 有害物質による水質汚染
- 余った生地の廃棄
ファストファッションが拡大してから、価格も下がり衣服が買いやすくなりました。
しかしその裏では、衣服の「大量生産・大量消費・大量廃棄」されていることが問題となっています。
上記のような環境負荷が問題視され、2019年8月、G7サミット(先進7カ国首脳会議)にて環境負担減を目的とした「ファッション協定」が発表されたのです。
以下の3つの分野に共通の実践目標を掲げました。
- 地球温暖化の阻止
- 生物多様性
- 海洋保護
幅広いブランドが参加し、本格的にサステナブルな取り組みが始まり、注目される流れになりました。
また、衣類の製造の背景には生産者の健康被害や、過酷な労働環境が隠れています。
- 農薬使用による健康被害
- 児童労働
- 長時間労働
- 低賃金
衣服に使用される綿花の栽培には大量の農薬や殺虫剤を使用するため、農家の健康被害は深刻なものとなっています。
また、より安い価格で大量に生産するため発展途上国の労働者を雇い、正当な賃金が支払われていないという事実があります。
私たちが当たり前に消費しているファッションの背景には、地球環境や発展途上国の人に多くの負担がかかっているんですね。
日本では安い価格で衣服が購入できますが、その裏で負担がかかっている人がいることを知らなければなりません。
サステナブルファッションの条件は?
サステナブルファッションにはどういった基準があるのでしょうか?
サステナブルの条件として捉えられているのは以下の4点です。
- 環境に配慮した工程で作られている
- 環境に配慮した素材
- 生産に関わる人の労働環境が健全、公正な取引がされている
- 長く着られる質やデザイン
それでは、企業によるサステナブルな取り組みについて紹介しましょう。
オーガニックコットンを使用
衣服の布地の原料にオーガニックコットンを使う取り組みです。
通常のコットンの栽培には、農薬や化学肥料を大量に使っており、生産者の健康被害や土壌汚染を引き起こしています。
このような環境では持続可能な産業とはいえません。
一方、オーガニックコットンは、農薬や化学肥料を3年以上使用していない土地で栽培されています。
オーガニックコットンを使用することで農家の人びとの健康と豊かな環境を守ることにつながります。
フェアトレードの実施
フェアトレードとは社会的・経済的に立場の弱い人びとに適正な価格の取引を行い、生産者自らの力で生活を向上させるための取り組みです。
発展途上国の生産者は低賃金なうえに劣悪な労働環境で働き、まさに「不公正な取引」が行われてきました。
公正な取引のもと、生産者が労働に見合う賃金を得られるようになる効果が期待されます。
リサイクル素材を使用
ファッション業界は衣服を製造するために天然資源を大量に使用しますが、廃プラスチックやナイロン廃棄物をリサイクルして生地を開発している企業も増えています。
衣服を選ぶ際は流行っていて安いからという理由だけではなく、商品ができる工程や着続けられるのか、といった条件を確認して購入したいですね。
私たちにできるサステナブルファッションは?
サステナブルな取り組みは、企業やブランドだけでなく消費者も取り組まなければならない課題です。
ここでは消費者の私たちができることを、5つお伝えしていきます。
- 持っている服を大切に着る
- リサイクル・リユースする
- 生産過程や素材をしっかり見る
- 本当に必要なものだけを買う
- 長く着られる服を買う
それぞれみていきましょう。
1.いま持っている服を大切に着る
いま持っている服をできるだけ長く着ることで、環境負荷を減らせます。
環境省によると「現在より1年長く着るだけで日本全体で4万トン以上も廃棄量の削減につながる」というデータがあります。
衣服のリフォームやリペアをすることで、思っているより衣服は長持ちします。
しかも、手を加えることで愛着がわき、より大切に楽しみながらファッションを楽しめますよ。
2.リサイクル・リユースする
着なくなった服をゴミとして捨てるのではなく、必要としている人に譲ることもサステナブルな取り組みです。
もう既に実践している方もいらっしゃるかもしれませんが、服はなるべく捨てずに売るか古着を回収してくれる店舗に譲るようにしましょう。
自身が服を購入するときに、古着を購入することもおすすめです。
古着ならではの魅力が詰まった衣服を見つけることができれば、ファッションをより楽しめますね。
服を服として再利用することが、もっとも環境に負担がかからない取り組みです。
もうくたびれてしまって譲れない衣服はリサイクルにまわしましょう。
3.生産過程や素材をしっかり見る
衣類を買うときは、どんな素材か、どのような生産ルートでつくられているかを確認しましょう。
サステナブルな取り組みをしている企業やブランドであれば、ホームページなどから情報を得ることができます。
生産過程に関心を向けることは、サステナブルな取り組みの大切な第一歩です。
4.本当に必要なものだけを買う
安いから、セールだからといって衝動的に衣服を買うことはありませんか?
「買ったはいいけど結局あまり着なかった……」となると、環境にもお財布にもよくないですよね。
価格だけに左右されることのないように、定期的にいま持っている衣服を把握することで必要な枚数が分かってきます。
無駄な出費を抑えるためにも、一度立ち止まって考えるようにする習慣をつけるといいですね。
5.長く着られる服を買う
1着を長く着られるように、価格だけで選ぶのではなく、品質を重視して衣服を選びましょう。
自身にとって価値のある衣服を選ぶことにより、愛着をもって長く着用することができ、廃棄されるまでのサイクルを延ばす効果もあります。
新たに衣服を買うときは、長く着られるかどうかを基準にしっかり考えるようにしましょう。
サステナブルな思考でファッションを楽しもう!
この記事では、サステナブルファッションの条件や取り入れ方を紹介してきました。
サステナブルファッションの条件は以下の4つです。
- 環境に配慮した工程で作られている
- 環境に配慮した素材で作られている
- 生産に関わる人の労働環境が健全、公正な取引がされている
- 長く着られる質やデザイン
サステナブルファッションは以下の5つを参考に実践してみてくださいね。
- 持っている服を大切に着る
- リサイクル・リユースする
- 生産過程や素材をしっかり見る
- 本当に必要なものだけを買う
- 長く着られる服を買う
まずは、「1着の服を少しでも長く着るためにはどうしたら良いか」と、考えることから始めてみましょう。
たった1着でも、まずは意識を向けることが重要です。
サステナブルファッションという概念がなくなるように、一人ひとりが当たり前に実践することが、未来に豊かな地球を残せる鍵になります。
サステナブルな考えを取り入れながら、長くファッションを楽しんでくださいね。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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